未来のデイリーライフ

ツーリングの備忘録をメインに、自転車や日常の事も書きます

明けまして九州ツーリング その3

前回はこちら

bluemily-forest.hatenadiary.jp

2024年1月6日(土)

平日の如く朝の6時半ごろに目覚ましを鳴らして、併設のおにぎり屋さん(午前7時オープン)で朝食を頂く

今日はこれまでの九州ツーリングではやったことの無い初の試みをする

 

『今日はバイクに乗りません』

 

ホテルの東側にはすぐ海が広がっているが、そこに公園があって、ウッドデッキがあるので海の上を散歩できる

朝から海沿いを散歩するなんてちょっとした憧れなので、駅とは逆方向なのだが少し寄り道した

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バイクには乗らず、今日は別府の街をゆるりと観光しようと思っていた。その為に駅近のホテルを選んでいた。最寄駅『西大分駅』は思ったよりも年季の入った見た目をしていた
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天気は曇り。フラッシュ焚いていたのだけど、暗い写真になってしまった。

岐阜県で言うと長良川鉄道の駅と言われても違和感ない感じだが、問題なく鉄道系ICカードは使えるし、もちろんJRの駅だ

やってきた電車には『ワンマン』と書かれていて、地元と同じだなぁと親近感が湧く

けれど出発すると地元のワンマン列車とはそれこそケタ違いのスピード感で仰天した。こちとらバイクや自転車に乗ってる時間のが長いからそれなりの体幹があるはずなのに、手に食い込むくらい吊り革を握っていないと立っていられないだと…

後で聞いた話では、大分の電車は荒いらしい。通りで…

 

西大分駅から10分ほどで別府駅に到着

電車を降りると、ホームには下呂温泉の駅のような湯煙、の看板がお出迎え。流石に温泉が沸いていたりはしていない

駅前には有名な(?)『ピカピカのおじさん』の像があったり、ここでは温泉が沸いていた

今日の目的地、『鉄輪温泉』へ行くにはもう一つ先の駅で降りた方が近いのだが、時間に余裕があるので少し別府駅前を歩く事にした

 

別府駅には線路下に商店街が残っている。レトロなスポットだ。

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まるで廃墟やお化け屋敷のような写真になってしまったが、決してそれではない。まだ朝の8時だったので、どこのお店も空いておらず、閑散としていた

こういう昔っからの、という場所は好きなのだけど、人が多い所、お店の人に声かけられる場所は好きじゃないという面倒な性格しているので、閑散とした時間に来れて良かったとは思った。別府市の公式観光サイトを見て来てみた場所でした

参考にさせてもらった別府の公式観光サイト、興味があったらこちら↓

beppu-tourism.com

 

さて、地図に鉄輪温泉を打ち込むと、徒歩1時間と出る。散歩には丁度いいなと思って歩き出した

駅の近辺は綺麗な碁盤の目状の街になっている。駅の東側はホテルや飲食店、ショッピングモールが立ち並ぶが、西側は思っていたよりもすぐに居住区だ。1時間も歩けば道中なにかしらの出会いや発見があるだろうと思っていたのだけど、いけどいけど住宅街。大通りに出れば郵便局やコンビニ、ケーキ屋さんくらいはあるけれど、観光地ではない。東から西に向けて登る坂の街だから、東を見下ろせば別府湾が見えた

1時間歩いて、運動の習慣があるのに足が痛くなって来たな、歳か、などと思って来た頃、目的地の『鉄輪温泉』と書かれた看板が現れた

以前のツーリングで通った事のある、別府のフェリー乗り場から伸びる大通りに出ると、僕がみたかった景色が見えてくる
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街のあちこちから立ち上る白い煙。初めてこの別府に来た時に『なんだあれ、もしかして温泉のけむりなのか!?すげえ!』と感動したのは忘れられない

日本各地に温泉街は数あれど、これほど『温泉街っぽく』煙が上がっているところはまだ見たことがない(大きく言えるほど色々な温泉街に行ったことがあるわけではないけれど)

足が痛くなるまで歩いて来たのも、この景色を見れば、頑張った甲斐があったと思える

 

鉄輪温泉街に入り、今日のメインディッシュを楽しみに一軒のお店にやって来た

煙突から、建屋から、排水溝の蓋から、あらゆるところからもくもくと煙が上がる街。ワクワクしてしまう
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ここは『地獄蒸し工房 鉄輪』さん

ここ別府で有名な、『地獄蒸し』を体験、食せる人気スポット。丁度数ヶ月前にヒルナンデスでも紹介されていた。今日ここに来た理由の1つはそれであったりもする

日中は大行列らしく、僕は1人旅。入るのならばオープンと同時の人の少ない時間を狙う。と言う訳で10時オープンの30分前に到着したが、すでにちらほら人が居た。ひと組の家族が1番に並んでいたので、何はともあれ僕はその次に並んだ。するとウロウロしていた人たちも後ろに並び出す。危なかった、もう少し遅く来ていたら、気後れして、この地獄蒸しを諦めていたところだった

 

さて『地獄蒸し』はいわゆる蒸し料理である。

ここ別府であちこちから湧く温泉の蒸気で食材を蒸して食べる。蒸すものは野菜から肉から魚から、ご飯やスイーツまで蒸してしまう自由さ。

キャンプとかでやる燻製みたいなものかと思いつつ、本当に蒸しただけで美味いのかというのは半信半疑だった。だから一度体験してみたかったのだけど、結果、間違いなく美味しかった!!

人参、玉ねぎ、じゃがいも、かぼちゃ等の野菜と、豚まん、卵、アップルパイなんかを食べたけど、全部美味い

野菜がどれも甘くなって美味い。塩とポン酢で食べる(それ以外のドレッシングなどは別料金)のだけど、塩が外れないように思えて、ポン酢の方が好みだった。塩つけなくても十分甘いというか、蒸されているだけで、素材から何も抜け落ちてないから、ポン酢のさっぱり感が合うと言うか

 

テレビで紹介されるくらいの評判通り、とても美味しくて面白い体験ができた

欲を言えば、メニューの多くは2人前なので、しゃぶしゃぶやきのこバターを食べに、次は誰かと食べに来たいと思った

 

地獄蒸しに興味がある人は、またまた別府観光公式サイトに詳しく載っています↓

beppu-tourism.com

 

 

続いて別府でやりたいこと。

『地獄めぐり』制覇と、それを使い捨てカメラで収めてくること

別府には『地獄めぐり』と呼ばれる観光スポットが7ヶ所ある。それぞれが『入浴はできない』温泉で、様々な情景が見られる。今までにも九州に来る度、1ヶ所2ヶ所ずつくらいで見たことがあったけれど、未だコンプリートはしていなかった。バイクに乗らず、観光に全力を尽くそうとしている今日には打ってつけの『めぐり』だ

 

まず一つ目の地獄、『鬼石坊主地獄

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坊主の由来は、灰色の泥がボコボコと湧く様子が坊主の頭に似ているからだそう。その昔坊主が沈められたからだとかいう恐ろしい噂もあるとかなんとか。

これを見たのは初。熱湯ではなく泥が沸いてるというのがミソな気がする。間違いなく熱々な泥なので、ぶっかけられたりでもしたら地獄である。恐ろしいのだが、ボコッ…ボコッと大きくゆっくりと泥が沸き波紋のように白い模様が出来ていくのは、なんだかずっと見ていられた

 

二つ目の地獄、『海地獄』。ちなみに回る順番は決まっていないし、どの地獄が何番とかはない。おすすめの回る順番は公式観光サイトに書かれているけど
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海のような青色で、時間帯や天気によって微妙に色が変わって見えるらしい。今日は曇りだったからか、公式観光サイトで見られるほど鮮やかな色はしていなかった。ここも初めて来たけど、他の地獄の方が海っぽい綺麗な青色しているような?と思った。坊主よりもうもうと湯煙が上がっていて、冬にきた甲斐あったぜと思う

 

3つ目に訪れた『かまど地獄』も初めてだ
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何が『かまど』なのかと言うと、昔この温泉の蒸気で炊いた米をお供えした習わしがこの場所にはあるそうで、それが元なんだとか

先程言ったようにここ『かまど地獄』に湧く温泉も色鮮やかで、よっぽど海っぽい。
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どれがメインの温泉なのか分からなくて、2枚写真を撮ってしまった

 

4つ目は『鬼山地獄』別名『ワニ地獄』とも言う
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別名のワニ地獄はそこでワニが飼育されているから付けられた名前だけど、本来の鬼山と呼ばれる由来は、ちょっと調べただけでは『地名から名付けられた』ということしか分からない。意外とあっさりした理由だなぁ

ここの温泉は水色でボコボコとジャグジーのように沸いているのが特徴。その様子も撮ったつもりだったけれど、フィルムに残っていないのであまりの湯気で撮れてなくて写真屋さんに省かれてしまった説がある

 

5つ目、『白池地獄』別府温泉街でよく通る坂道沿いにあるのだけど、入ったのはこれが初めて。
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見た目は白濁した池なので、他の鮮やかな地獄に比べると地味だなと思った。けれど本当の見どころは併設の熱帯魚館だった。ピラルクやピラニアといった大きくて希少な魚が見られる。水族館好きなので、まさかの発見でちょっと長居させてもらった

 

6つ目の地獄は『血の池地獄』。初めて九州に訪れた時にも見た、印象深い場所だ。予備知識が一切なかったものだから、入れる温泉だと思って、受付のお姉さんに『貸しタオルありますか?』と聞いて変な顔されたことは忘れられない
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『地獄めぐり』と言われる中で最も地獄っぽい場所。赤いのは泥の色。赤い池から煙がもくもく上がる様子は、初見でのインパクトとしてそれはそれは凄いのだけど、2回目ともなるとちょっと感動が薄かった。他の地獄よりボコボコ沸いていないからかなぁ

 

7つ目、最後の地獄は『龍巻地獄』。シンプルに間欠泉だ。血の池地獄の隣にあるのだが、ここも今回初めて来た
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間欠泉なのでいつも吹き上がっているわけではない。なんとなくゲームの世界だとかなり短いスパンで噴出する間欠泉が多い(ステージギミックとしてとか)が、現実でそんな事はなかなか無いよなと実感。それでも30分に一回程度噴出するそうで、大きな公園の噴水のようなノリで熱湯が噴き上がると思うと、なかなか自然の恐ろしさを感じる

入場するとスン、とした雰囲気。恐らくここから熱湯が噴き上がるんだろうな、という場所を囲むようにしてちらほらお客さんが座っている。これは何分前に噴き上がった後なのだろうか。取り敢えず同じように腰掛けて待つこと20分ほど

 

遊園地などのショーが行われるステージ席のように人がたくさん集まった頃、

ごぽっ、ごぽぽぽぽ!とついに間欠泉が吹き出した!凄い勢いだ!
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おおっ!と会場が沸いて、アナウンスで説明が入る。危ないので天井が設けられているが、なければ50mほど噴き上がるんだとか。熱湯が叩きつけられた天井からもくもくと煙が上がり、噴水ではなく温泉が噴き出てるんだとわかる

10分ほど眺めていたら、自然と静かになっていった間欠泉。終わってみれば、人口の噴水だと言われても違和感ないような?と思った。夢がない(笑)

 

これにて『べっぷ地獄めぐり』完了

スタンプラリーも全て埋めることができた

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初めて訪れた地獄、再度訪れた地獄とあったけれど、ここは本当に楽しいところだ。ボコボコ湧く泥や湯、鮮やかすぎてどう考えても危なさそうな色の池。浴びて大丈夫なのか!?と思うくらいもうもうと立ち上がる湯煙。別府の公式サイトの言葉を借りるなら、これほど『五感』で楽しめる場所もないと思う。

地獄蒸しも楽しめたし、別府温泉観光は大満足だ

 

別府温泉街を後にして、はるばる会いに来てくれた九州住みの友人の車で『別府タワー』に訪れた

直近で訪れたタワーで、秋田のポートタワーセリオンよりかは低い。800円払って地上55mの展望台へ上がり、そこから見下ろした風景をフィルムに収めた

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眼下に伸びる片側3車線の国道10号線。道の左側、海側にはホテルが立ち並び、右側には大分のローカル百貨店『トキハ』が見える。

少し覗いたら、正月の福袋の余りがセールになっていた。お菓子や調味料の詰め合わせギフトを見ると、岐阜や名古屋では見かけないラインナップになっていて面白い

 

その後は時間潰しのために再び別府駅方面へ足を伸ばした

ノスタルジック別府シリーズの『ブルーバード劇場』へ立ち寄り。フィルム写真で撮れば一昔前のよう
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僕は映画にはあまり興味がないので、なるほど、で済んだけど、昔の映画やマニアックな映画とかが好きな人には向いてるんじゃないかと思う

 

最後にGoogleマップで見つけたテイクアウトコーヒーのお店に立ち寄り、美味い珈琲を片手に商店街をてくてくと歩いた

 

車を出してくれた友人がオススメの街中華があるというので大分市

別府市が観光地化した都会なら、大分市は生活の中心街という感じだろうか。別府ほど高い建物はないけど、工場地帯や住宅街がずっと平坦に広がっている。

なすがまま連れて行かれた『KTM大分』さんで、個性的な店長さんと出会う。KTMのバイクには5年以上乗っているけど、買ったお店以外の正規ディーラーさんに訪れるのはようやく2店目。他店の店長さんにお会いするのは初だったりする。KTMディーラーさんのお店の人はどこも癖強(褒め言葉)なイメージだったけど、その通りだった。好きで楽しくバイクショップをされているなということを感じた。そういう感じだからこそ、ちょっと働いてみたいと思うのもあるのかも

 

真面目な話をすると、今回KTM大分の店長さんの名刺を頂けたのはかなり大きいかもしれない。今の所奇跡的にロンツーでトラブルに見舞われていないし、自走できなくなっても困らないように距離無制限のレッカーサービスを契約しているけど、九州ツーリング中にトラブルに見舞われた時、連絡できる選択肢が一つ増えたというのはいい事なのではと。そう思うと、今後また九州ツーリングに訪れて近くを通ることがあれば、コーヒーとチョコありがとうございました、と挨拶に立ち寄るのもひとつの縁なのかもしれない

 

さて、そうして訪れた『中国料理 王府』さんで夕食をいただく

王府って街中華料理屋さん、岐阜でも見かけたよなぁと思いながら

18時前なのにお店は激混みだった。『ニラ豚定食』を始め、どれも美味いとこの辺りでは大人気だそう。

メニュー、注文が届くまでの速さ、値段等々はよく知る街中華なんだけど、行列ができるほどのお客さんと、それに対応するスタッフさんの人数の多さは。街中華って夫婦2人でやってるイメージなんだけど、厨房に一体何人いたんだ…

ともあれ大分産のニラをこれでもかと使ったニラ豚は、ご飯大盛りにしておけばよかったと思えるほど止まらない美味さだった

 

こうして3日目が終わった

バイクに乗らなかった1日。ホテルに戻ると、出てきた時と同じようにバイクが停められていて一安心する

やはりバイクに乗らないからこそ行けた場所も沢山あるなと。

バイクは車よりも小回り効くかもしれないが、装備が重いので1日街を歩き回ろうと思うと大変なのだ。かと言って装備をバイクに残して離れるのも気になるし

同じようにバイクを封印してじっくりみたい街は沢山あるし、こういうスタイルは今後もやってみてもいいかもしれないと思った

 

今回もフィルム写真で紹介できなかったところを少し