未来のデイリーライフ

ツーリングの備忘録をメインに、自転車や日常の事も書きます

明けまして九州ツーリング その2

前回はこちら

 

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2024年1月5日(金)

朝の8時ぐらい、門司港に入り下船が近づいている中、展望デッキから撮影した朝日

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大阪から門司港に向かう船は2便あって、17時に出て翌日朝6時に着く便と、20時に出て翌日朝9時に着く便がある。よく使うのは17時発の便で、これは九州に早朝に着くことでツーリングの時間をたっぷり取れるメリットがある。ただ今日は真冬の1月頭。本州よりは寒くないし凍りづらいと分かっているから来ているものの、そういうリスクは0ではないので、今回は朝9時着の2便で九州にやってきた。

2便のメリットは、朝ゆっくり出来ることだ。1便だと朝6時に着くからそれまでに起きて下船準備をしないと行けないから、朝4時5時に起きる事になって辛い。

昨日は20時に出航して、夕食は食べてから乗船しているから1時間ほど展望デッキでぼうっとして、訳あって風呂セットを置いてきたから22時ぐらいにはさっさとベッドに横になっていた。それから翌朝8時までたっぷりと、時間だけ見たらゆっくりしていた。現実はあんまりよく寝れなかった。ツーリストと呼ばれる相部屋2段ベッドの部屋で、安いから選んでいるのだけど、相部屋なので当たり外れがある。今回はハズレだった。

 

門司港に着岸したフェリーを後にして、大分県方面にむけて2時間ほど走った。すると11時頃になり、温泉施設がオープンし始める。

昨日フェリーでお風呂に入れなかったので、最初の目的地はツーリングマップルでオススメされていた『豊前温泉天狗の湯』だ
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想像していたよりも小さかった建屋と、真四角な駐車場の雰囲気が老人ホームみたいだった。当然バイク置き場はなくてぐるりと回り、駐輪場と書かれた看板の手前にバイクを停めた。

ヘルメットを脱いで、上着を脱いでプロテクターを外し…とわちゃわちゃやっていると、駐車場に面した勝手口のような所から出てきたおばちゃんに『おはようございます』と気持ちよく挨拶された。この温泉にはまだ開店前だけど食堂が併設されているので、そこのスタッフさんだろうか。

ヘルメットをワイヤーで繋げて、バッグから取り出した着替えをザックに詰め替えて、さあお風呂へ!というところで今度はおじさんが現れて『おはようございます』。やたらと気持ちいい挨拶をされる、お風呂が終わったら併設の食堂に顔を出そうかな。

 

と、いうことで共同浴場のような天然温泉でサッパリして、開店時間になった併設の食堂へ入った。表の扉にも紙が貼られていたが、限定ランチは『鶏すき焼き定食』らしい。年末にすき焼きを食べる文化は東海地方のもの、と最近聞いたはずなのだが、やっぱり年末年始はすき焼きを食べるのは全国共通なのでは!?

すき焼きはすき焼きでも、『鶏すき』って初めて食べるなぁと思いながら控えめに卵を叩いたら盛大に失敗。殻を取り除くところから始まった。

濃いいすき焼きの味付けだけど、さっぱりとした鶏肉でご飯が進む!味噌汁は白。白味噌汁が食べられるのも遠出の醍醐味(家は赤味噌

限定ランチがあるのもそうだし、後から入ってきた作業着のウンチャン達やスーツ姿の先輩後輩を見て、今日1月4日は結構な人にとって平日なのだと実感する

 

天狗の湯を後にして、南へ向かった。施設内に豊前市の観光マップがあって眺めていた所、『求菩提の農村風景』と書かれていたのが気になったのだ

因みに、

豊前市』は『とよまえし』でも『ぶんぜんし』でも無く『ぶぜんし』と読む。

『求菩提』は『くぼて』と読む。

この2つ、九州にいた時は全く読めていなかった。更に言うと後に九州の昔の地名である『豊後国(ぶんご)』と『豊前の国(ぶぜん)』の話を聞いて、『ぶんぜん』と読んでたまである。ややこしい

 

話は戻って求菩提の農村風景を目指して山間部に入る手前の道で撮ったのがこの写真
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中央にポコっと顔を出しているのがその求菩提こと求菩提山

九州って火山が多いからか、本州ではあまり見かけない特徴的な山がそこら中にあって、街を外れて山の方面に向かうと途端にこんな景色が広がる。交通量が激減して、不思議なほど広くて綺麗な道が山に向かって伸びるのだ。それが僕にとって『あぁ九州に来たな』と思える瞬間

因みにこの景色は件の『求菩提の農村風景』ではない。地図的にはここから10分ほど登っていった山間部だった。そちらはどうだったかと言うと、思っていたより普通の『田舎』って感じだった。岐阜県でもよく見かける、すれ違いが面倒な狭い一本道の坂道沿いにぽつぽつと農家が建っているような。ただそんな場所ながら新しくて綺麗な隠れ家カフェが2、3軒あって評判は良いようだし、バイクが数台停まっている所もあった。僕もバスクチーズケーキが食べられる良さげなカフェを見つけて寄りたいと思ったのだけど、さっき美味い鶏すき焼きを食べてお腹がいっぱいで断念した。いつもなら別腹で全然入るのだけど、年末あたりから胃腸の調子が悪い気がしていた

 

求菩提山の本格的なグネグネ山道が始まる手前に大きな駐車場があったので、そこで引き返す事にした。その時に撮った写真

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立派な石垣とそれっぽい石碑があったのでバイクを並べて撮っただけである

左手にはまたまた気になる見た目の古民家カフェがあって心惹かれてしまう

カフェは丁度お客さんがいなくて、スタッフさんは手が空いていたのか、ドゥルルンとバイクの音がしたからか、こちらをチラチラ見ていた気がする。入りたかったなぁ

 

このまま求菩提山のグネグネ山道を通って、大分県中津市の方へ抜けようかと思ったら通行止め箇所があった。その為駐車場で引き返す事に

前回大分に来た時にお世話になった、『やたら空いてるコメダ』や、中津城に再訪したい気持ちを堪えて先に進む

 

海岸沿いを走ろうと思って国東半島方面に進む手前、たまたま地図で見かけた『昭和の町』というのが気になって訪れたのがこちら
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Googleマップでは『昭和の町 ゲート』と書かれている場所だ。この場所の写真を見ていたら、KTMのバイクが写ったものを見つけた。何とこれは同志!と思って同じ構図で写真を撮るためにやってきた。ところが着いてみると何だか違和感がある。ゲートに書かれた『稲荷商店街』文字や、奥に見える『伊藤宝来堂』と書かれた建物も違いがない。分かった、子供の像がなくなっている。確かに現地には像があったような、何かを除いた跡があり、これで同じ場所ではあると確定した

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さて、昭和の商店街の入り口には来たもの、ゲートの向こうに昭和が広がっているかと言われるとそうは見えない。地図を見るともう少し行ったところに観光協会や博物館があるそうで、そこまで行くと期待したものが見られるのかもしれない

ゲートを潜って先に進むとすぐに昭和は現れた

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丁度今日は『フィルムカメラ』だし、これで商店街撮ればまさに『昭和』の絵が撮れる!という安直な気持ちでシャッターを切った

全国に昭和を再現した所は数あれど、ここは『まだ昭和が残ってる』という印象を受けた。説明には『再現』と書かれているけど。

この二つ目のゲートを潜って少し行くと休憩所があるらしく、そこにバイク停めさせて貰ってちょっと歩いてみようかと思っていた。けれど思いの外、静か。

全く人が歩いていない訳ではなく、空いてると言える。空いてるから商店街をバイクで突っ切るのはそんなに迷惑じゃないとは思うのだけど、大型バイク走らせるには静か過ぎた…。見てくれは商店街そのものなのだけど、雰囲気は閑静な住宅街とでも言おうか。125ccのバイクなら行けたなぁと思いながら、観光は断念して次に進む事にした。せっかく静かでいい所なのに、派手な大型バイクで乗り込むのも野暮だし

 

国東半島をぐるりと一周できる国道213号線に乗り、しばらく進む。中々海が見えないな、と思っていたところに『花とアートの岬 長崎鼻』という看板を見つけた。多分綺麗なホテルがあるだけだろうなぁと思って初めはスルーしたのだけど、やっぱり気になる。コスモス畑とかラベンダー園とか、花系のスポットは気になるタチなので、(例えホテルがあるだけだったとしても)覗いてみるのはタダ!という気持ちでUターンして、長崎鼻とやらに向かった

 

すると現れたのは、まさに岬な岬だった
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道に沿って突き当たりまで行くとキャンプ場が、坂を下ると海水浴場につながっていた。そしてこの丘陵地はひまわり畑でもあるらしい。当然今は冬なので何も無いが、フォトスポットもたくさん用意されていて、時期ならばさぞ人が集まっていそう。

しかしながらキャンプ場があるので、料金を払わないと海には出られなさそう。そろそろ海が見たいんだよなぁ、ということで国道には戻らずこのまま海に向かって適当な道を走る事にした。

何度か畑や変電所のような所にぶつかって引き返しながら、地図にあった小高島海岸とやらを目指す。誰が来るんだろうというような民宿の案内版に沿って進み、港を見下ろす小高い崖の上の宿舎横を下ると、小さなプライベートビーチのような所に着いた。

コレだ!誰もいない静かな海を見られる場所。こういう所に来たかったんだ!
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海にはゴミがそれなりに溜まっていたけど、浅くは無い水底が見える程度には透き通っていた。魚影は見えない。小さな防風林の向こうからは人の声が聞こえてきて、正月で帰省した家族でもいるのかなと思った。

バイクのエンジンを切ると本当に波と風の音しか聞こえないくらい。バイクが煩くて申し訳ない

写真中央に見える小島のようなものは、地図上で『馬ノ瀨』と書かれており、『島袋道浩作品「マノセ」』と書かれたスポットが近くにある。誰かはわからないが芸術作品が置いてあるのだろうか。

 

馬ノ瀬まで移動してみると中々どうして味わいのある景色が見られた
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察しの通り潮の満ち引きで道が現れたり消えたりするのだろう。

辺鄙な場所な割に車が数台通ったが、それ以外は誰が来るでも無く良い景色を独り占めできた

しかしながら見ていて思い浮かぶのは、数日前に大地震に見舞われた能登半島のことだ。先のプライベートビーチみたいな場所もそうだが、この静かな海は能登っぽいと思った。この馬ノ瀬なんかは、見附島によく似ている。国東半島と能登半島。同じ半島だから似たような景色があるのは当然といえば当然だが、3日前の衝撃的な出来事があっただけに、能登を思い出して仕方が無い。今はただ復興を祈って、時が来たらボランティアとかに参加しようと思うことしか出来ないのだけど

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時刻は3時。冬でなければまだまだ日が高かった所だ。

もう2時間とすれば日が落ちて、本州より暖かい九州といえど耐え難い寒さになってくる。宿に向かって走る事にした

 

途中、道の駅くにみに立ち寄った。国東半島の北端にある道の駅。この辺りはタコが有名らしい。可愛いタコのキャラクターの石像がお出迎え。お土産を除くと、生たこ、冷凍タコ、タコ飯の素、瓶詰め等々タコがたくさんだった。バイクなのでナマモノは持って帰れないのだが、これだけ推されていてはタコが食べたくなるというもの。外にあったたこ焼き屋さんか、ホテルまでなら、寒いしリュックに入れて加工物ならいけないだろうか。たとえば真空パックみたいになってる地だこ醤油煮込みとか!

 

想定より遅くなったけれど、18時、大分市のホテルに到着した

入り口でフラッシュを焚いて撮ったけど、あまり写っていなかった

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縦持ちで撮った時に指が入ってしまった

 

ビジネスホテルGK大分さん

バイクを置く場所は無さそうだなと予想していた通り、車と同じように駐車スペースに停めるしかなかった

4階建てながらエレベーターが無い、前述通りバイク駐車は考慮されてない等あるが、大分、別府のビジホではかなり頑張ってくれている料金だと思う

ランドリーと乾燥機あるし、素泊まりでも併設のおにぎり屋さんか、徒歩1分でコンビニもある

 

さて、門司港到着から1日走って大分市までやってきた2日目

27枚撮りの使い捨てカメラは、想定通り1つ使い切ってしまった

最初はシャッター切っている感じが薄いし、ファインダーを覗くのも慣れないなぁと思っていたけど、1つ使い切る頃には楽しくなっていた。やっぱりカメラは楽しい。この時は実際うまく撮れているのか知る由もなかったけど、いい景色にたくさん出会えていたし、思うがままにシャッターをきれていたので、2つ目の使い捨てカメラで明日からも写真を撮るのが楽しみだった

 

続く

 

補足

フィルム写真で紹介しきれなかったところとか