2024年3月17日(日)
初めて『クリテリウム』というものに参加してきた
クリテリウムは短距離レース
決められたコースを決められた周回走って、その速さを競う
今レースの一周は2.2km
エントリーした種目では3周、6.6kmを39人の選手が勝負する
1番長い種目で12周、26.4km走るものもあった
なぜ突然にレースに出たかというと、遡れば昨年の8月、鈴鹿ロードレースという大きな自転車イベントで『体験レース』に出て、リアルレースに興味が湧いたことから
ゲームで人と対戦することはあっても、リアルに顔合わせた人間と戦うなんてのは、学生時代の運動部以来だ。僕は負けるのが嫌いなので勝負事は基本的に避けてきたのだけど、避け続けてきた結果、競い合う事は身体的精神的に大きな刺激になるのだと察する。そういう意味でも、久々に自分自身の現実と向き合い、あわよくば勝って成功体験になれば人生が彩るかもと思った
そして昨年12月にはビワイチ中に偶々見つけた、『東近江エンデューロ』のチラシを見て参加、そのHPには『守山野洲川クリテリウム』のことも書いてあり、同じ運営さんならついでに出てみるかと、今回の参加に至った次第
ロードバイクは旅ツールか、運動の習慣付けの為に始めた趣味
レースに出るつもりは無かった。けれど速く長く走るための体力作りとしてレースはいいトレーニングにもなる
そう思ってバーチャルサイクリングアプリ『zwift』では何回かバーチャルレースには参加していた
その経験を持って、今回のリアルレースに挑んだ
高速道路使っても2時間以上の距離だから、今朝は4時起きだった。だから睡眠時間はあまり取れていない。レースは走る前から既に始まっている。コンディションを整えて会場に来れることも実力となる。そう意味で既に一歩遅れている。
ちなみに、レースは雨天決行なので天気予報は見ていなかったのだけど、思っていたよりも寒く、なんなら雨もパラついていた。体が冷えるとパフォーマンスも落ちるので、これはいきなり大変だ
というか、去年の富士山ヒルクライム、先月のグランフォンド熊野に引き続いて、僕が参加する自転車イベント天気に恵まれてない。雨男パワーが強すぎるのか…
バイクはwilier GTR TEAM
ホイールはCORIMA 32mmWS +
タイヤはパナレーサーAGILIST
初めて買ったロードバイクと、初めて買ったカーボンホイールで挑む。買った当初よりは戦闘力が上がっている
それを駆る僕自身も、乗鞍ヒルクライムしたり、ビワイチしたり、毎週ズイフトでトレーニングしたりとそれなりにパワーアップしてきたはずだ
7時半からの試走で、レースのコースを実際に走る
YouTubeで過去のレースの車載動画が幾つかあってそれを観て来ているので、概ねレイアウトは分かっていた。
今回は過去開催と違って逆回りになったそうだけど、封鎖された2車線道路がホームストレート、坂を登って鋭角に曲がって堤防へ、堤防から出てs字コーナー、下り、住宅街へ、クランク後狭く短い直線後再びクランクでホームストレートに戻るのは変わっていない。
試走で感じたのは、坂はシッティングで登り切れる(動画だとダンシングで登る人が多かった)
クランク含めた鋭角コーナーも問題なく曲がりきれそう。立ち上がりの加速を意識
8時から滋賀県選手権(男性)カテゴリーのレースが始まる。文字通り滋賀県で最速の男が決まるレース
僕が出る、レース初参加向けカテゴリーのC5は10時40分からなので、大分時間がある。寒いし寝不足なので駐車場戻って寝ようかと思ったけど、高レベルのレース観戦もしたくて残っていたら、結局寝る時間が無くなってしまった
初めて間近で見るゴールスプリントは凄い迫力だった
弱虫ペダルのアニメや、ウマ娘のアプリやアニメで観るゴール前の攻防というのは演出も含めてもの凄いスピードが出ているんだけど、現実でも本当に出ている。あれだけ周回重ねるほど走っているのに、なぜ最後に超加速出来るのか全然分からない。分からないが実際スプリントがかかっている。下ハンを掴んでお尻はサドルから浮き、バイクを左右に凄い勢いで振りながら、それまでで1番のスピード乗せてゴールゲートを潜っていた。後方から凄い勢いで加速して来て前を走る選手を捲る。それが目の前で起きていた。カッコ良すぎる。人間ってあんなスピードが出せるのか…。
さて戻って寝るには中途半端なのでいっそ会場で時間を潰すことにする
表彰台を見たり
出店を見たりする。
アロマオイルトリートメントをしてくれるブースがあった。気になる。他にはインソールのフィッティングや、洗車サービスなど
食べ物屋さんもあった。
やきそば、団子、クレープ、からあげ、他にも色々。先に食べてもいいけど、楽しみは後にとっておきたい。今はやめておこう
しかしこの日は本当に寒く、前日の暖かさが嘘のよう。前日と同じような『暑さ』だろうと思ってウェアを選んできたから、めちゃくちゃ寒い。ラジオ体操やストレッチをしてみるも、体はどんどん冷えていく。会場内でローラーをやるスペースはないし、駐車場でやっている人もいなかった。会場周りを走って温まる方法もあるが、それをやっている人もあまり見受けられない。公道を借りて開催しているレースな手前、会場外の公道をアップの為に走り回るのもあまりよろしく無いのではと思ってやらなかった
招集がかかり、ゼッケン番号順に並ばされて、スタート地点へ
取り敢えず上着はギリギリまで羽織って、直前に脱いでジャージのバックポケットにしまった。ポケットにしまえるくらいの薄手だから、ないよりマシとはいえ、完全に保温できるほどのものでもない。結局身体は冷え冷え、心拍もかろうじて110くらいでスタートに立った
レース開始
遂に初のレースが始まる。
怖いのは落車。集団走行、レースに慣れていない人たちの集まりだから、接触して落車はいくらでも起こり得る。現にYouTubeの動画でもあった。
対策としてできるのは集団の『中央』にいないこと。前方後方、左右どこでもいいが、とにかく外側にいること。中央にいるよりかは落車が起きた際に巻き込まれるリスクが少ない
僕が選んだのは左端。幸運にもスタートは2列目だったので、前方左端をキープすることにする。レースにおいてもキープレフト。追い越しは右からなので、逸って右側を走る人が多く、追い越せるほど速い人も少ないので詰まって危ない。とにかくキープレフト
最初の坂を越えて堤防道路に入り少し進むまでは先導車追い越し不可のローリング区間、クラクションが鳴らされて加速していくと同時に、選手も踏み込んで本当にレースが始まる。
最初の加速にはついていくこと。先頭の集団から離されれば素人ではゴール争いに混ざれなくなる。やはりみんな速い。置いていかれそうになるがなんとか踏み続ける。堤防道路を終え、下りからクランク2本。このエリアが狭く接触の危険性が高そう。キープレフトだがそれでも左から抜かれたりする。幸いコーナーのクリアスピードは人より少し速い。ストレートで離されても、コーナーの立ち上がりで持ち直せる。最初のホームストレートでは先頭集団に混じれたままゲートを潜れた
2周目が始まる。坂は得意なので前にいけるチャンスがあるとしたらそこ。右に進路をとって前に出ようとするも塞がって出られない。2度目の堤防道路。ずるずると右から中央へと進路がずれる。無理をすれば右から抜けそうだったけど、初心者レースで無茶な追い越しは危険と判断。一瞬だが右側からぶち抜けそうなタイミングがあった。弱虫ペダルやウマ娘で表現される『道』だったかもしれない。ただ僕は反応できなかった。再び下り、クランク、そのタイミングで後ろの選手が僕のバイクのハンドルに接触して来た。超肝が冷えた。僕がコーナーをアウト側に膨らんだせいかもしれないし、後ろの選手がアウトからインに切り込んできたからかもしれない。ともかく落車は免れたが、反動で出遅れた。クランクでホームストレートに戻るが、既に先頭集団とは距離が出来てしまっていた。あと一周しかない。取り敢えず全力で踏んで追いつくしかない。向かい風を必死に踏む。しかし届かない。
鐘が鳴って最終ラップ。身体はかなり追い込まれていた。坂が勢いのまま登りきれない。ギアも落としてケイデンスも上げたけど失速、たまらずダンシングでもがくも全然力が入らない。前のいない最後の堤防道路。諦めずに踏む、踏む。追いつけないのは分かりきってしまったが、このレースの目標は全力で走り切ること。諦めて誰かの後ろに入ってゆっくり完走する事が目的ではない。だれも後ろから来ないのでせめて今の位置はキープしたかった。ちらりと後ろを確認すると1人だけ後ろについていた。苦しすぎて下りからクランクまでは足を止めた。惰性で進ませる。後ろの人はおそらくゴール前に出て来て僕に前を掻っ攫う事が察しがついたが、前で踏むのをやめて、後ろの人を阻止するのが目的ではない。ここまできたら最後まで35km/hで走り切りたい。
最後のクランク越えて長い長いホームストレート。ぶっちゃけ限界。ゴール前に加速など出来ようもない。メーターも35km/hを割りつつある。後ろの人を感じるし、負けたくない。けれどもう限界だ。一瞬だけ、ほんの少しだけ足を緩める。もう一度だけ加速出来るようにするためだけのほんの一瞬。ゴールが見えた。100mか200mかあとはもう出し切るだけの距離。もう一度踏んで35km/h、もう少しだけ頑張れ37km/hくらい限界、やっぱり後ろの人が前に出る、許せん、だがもうスピードアップできない、粘るしか…
という訳で24/39位。ダメだ、先頭勝負争いとか話にならんレベルだった。実力足りなさすぎた。トップとは43秒の差がある。おまけに最後抜かれた、逃げきれなかった。
口の中が鉄の味がする。唇は切れてない。弱ペダで鳴子くんが鼻血だしてたのこういう感じなのか。息も全然整わないし、おろした腰がもう上がらない。これ程までに肉体酷使したのはいつぶりだろう。やばいな。でもロードバイクならこれだけ自分を追い込めるみたいだ。こんな満身創痍だけど、レースでは何した訳でもないからおかしな人だけど。ともあれ全力で走りきった。完走した。途中諦めてゆっくり完走することも出来たけど、絞り出してゴールした、スッキリした。
ロードバイクという今じゃニッチな趣味の、さらにニッチなレースというジャンルだ、やっている人間はよほど凄い人揃いなんだろう。ビギナーズラックでうっかり勝てちゃうほど甘々な世界じゃなかった(舐めすぎ)
じゃ、祭りを楽しみますか
クレープ500円。頼んでからお姉さんが巻いてくれる。ホイップたっぷり。チョコかキャラメルのソースが選べる。冷凍のイチゴがつくらい入ってた!嬉しい!
大玉だんご200円。いい大きさだ。出店でこのサイズが200円ってコスパ良くないか。美味い!
揚げたこ焼き5個350円とホットコーヒー200円。出店で買える飲み物がコーヒーしか無い。こちとら6km走るだけなら軽量化のためにボトルに半分しか水入れてないから、お茶が欲しい。でもたこ焼きもコーヒーも美味い。ご馳走様でした🙏
その後は選手としてのライセンスを持っている人たちの上級カテゴリーのレースと、50才、70才以上限定のレジェンドクラスのレースを観戦した
上級レースでは中盤から後半にかけて赤いwilierのバイクの選手が逃げを打っていて集団の少し前でレースを引っ張っていた。赤いフレームに大きな白いロゴの付いたホイールで先頭を走る姿はとても目立ってかっこよかった。『逃げてレースを引っ張る』ってすごくかっこいいよね。丁度この間までウマ娘のアニメでキタサンブラックも毎度先頭を走ってレースを引っ張っていたけど、現実で見る『引っ張る姿』はすごく痺れるものがあった。いつか僕も先頭を走って引っ張ってみたい。ただその人も最終周では飲まれてしまって1番にゴールできなくて、『逃げ切り』の難しさをまざまざと見せつけられた。勝負においては勝ちが全てではあるけど、途中まで独走していた赤いwilierの選手が会場を沸かせていたのは間違いない。僕も釘付けだったし。なるほど、だからレースは面白いのか
レース後、せっかく滋賀県まで来ているので琵琶湖を少しサイクリングした。
相変わらず天気が良くなくてすぐに引き返しちゃったけれど
そんな訳で初めてのクリテリウムレース、とても楽しめた
レースに勝つには全然実力が足りなくて、今後勝とうと思ったらすごく大変な苦労とか時間がかかってくるんだろう
でもいつか勝てたらいいな、勝てる力がついたらいいな、先頭の景色を見られたらいいなと思いつつ、今後もちょくちょくクリテリウムレースやっていこうかなと思った次第