前置き
HONDAのCBR250RRが2023年、マイナーチェンジされた
3色展開のあったデザインのうち、パールグレアホワイトはグラフィックデザインが一新されて更にカッコ良くなった。
またサスペンションやエンジンの出力等も変更されて生まれ変わった。
CBR250RRについては3年ほど前にレンタルして1日ツーリングしたことがある。
元々フルカウルのスーパースポーツバイクが好きなのもあり、カッコイイなぁ、乗ってて楽しいなぁと思っていた。
そして前述の通り今年マイナーチェンジが行われ、以前レンタルさせてもらったバイク屋さんの車両も最新型に入れ替わると伺ったので早速レンタルさせて貰ってきた。
そこで、ブログを始めてからぼんやりと『インプレッション記事』を書いてみたいなと思っていたこともあり、この機会にレンタルバイクツーリングをした範囲内で書いてみようと思う。
インプレッション
まず、インプレッションを行う著者について簡単に自己紹介する
所有バイクはKTMの690SMCRというモタードバイクと、HONDAのCB125Rというネイキッドバイクの2台。
過去にはKTMのRC390というCBRと同じく中型で乗れるフルカウルスポーツバイクと、お馴染みHONDAのクロスカブを所有もしていた。
バイク歴は7年くらいで、日帰り300km〜500kmのツーリングや、泊まりで1000km近く走ったりとロングツーリング好き。
サーキット等はやらないが、ワインディングの続く峠道や狭くて急カーブの連続するような舗装林道等を散歩するのが好きなので、バイクにはある程度の運動性も求めるタイプ。
さて、CBR250RR(2023)の外観から紹介していく。上がマイナーチェンジ後、下が以前までのモデルだ。
大きく変わったのがサイドカウルのグラフィックと、ホイール。
カウルの配色が白、黒ベースに赤いライン等でアクセントになっていた所が、白と灰色ベースに、ワンポイントで水色を使うようになって大分印象が変わった。
個人的に気に入ったのが、車体の真ん中から下を灰色にすることで、まるで影がついたかのように立体感が出ているところ。
そしてホイールが黒から白に変わった。これまたこれまでと印象がガラリと変わったポイントだ。
初めから白のホイールのバイクは中々無く、目立つホイールは強烈な個性を出している。
白いホイールは汚れが目立ち易く、少し走っただけでもブレーキダストやチェーンオイル、路面の砂や泥水等々が付いているのがよくわかる。
しかし汚れが目立つという事は、綺麗にしていることも分かりやすいということ。ホイールが綺麗なバイクはやはりカッコいい。しかも純白のホイールがピカピカで走っているのを見かけたらきっと二度見してしまうだろうし、このバイクの事を大切にしているんだなという事がよくわかると思う。
テールも少々変わっていて、かなりシャープになった。
SS(スーパースポーツ)乗り界隈のではテールの鋭さがしばしば注目される。KTMのRC8やYAMAHAのYZF–R6では掛けておいたバイクカバーが破れるくらい鋭いと話題になる程で、反り立った鋭いテールはカッコ良さのポイント、好きな人が多いところだ。そういった声が反映されたのかは定かでは無いが、CBR250RR(2023)においても、かなり鋭利で反り立ったテールになっており、SS好きの筆者としても非常にポイントが高い。
そのテールから伸びたフェンダーに注目すると、ツーリングライダーには有難い仕様になっている。
バイクにツーリングバッグを取り付ける際には4点で固定するのが基本になる。大抵は前2点はタンデムステップかフレームに、後ろ2点はキャリアやグラブバー、無ければフェンダーやウィンカーに付けることになる。しかしここで問題があり、フェンダーが樹脂パーツの一体型だったりすると、固定した際にテンションをかけると樹脂パーツがたわんでしまい締め付けが甘くなる。かといって、無理やり付けるのも、フェンダーが割れてしまわないかと心配の元になってしまう。
CBR250RRはフェンダーにしっかり芯があり、バッグ固定に利用しても問題なさそうだった。これでキャリアを取り付けなくてもツーリングバッグをしっかり取り付けることができ、ロングツーリングやキャンプツーリングなども可能だ。
実際跨ってみるとこのようなポジションになる。筆者は身長165cm体重60kgだ。
スタンドを払ってハンドル握り、右足をステップに乗せた状態で左足はしっかりと地面に着く。
また両足を降ろしても踵までしっかりと地面に着き、不安感が一切無かった。
タンクがシート側に張り出しており、ハンドルもそれなりに下がっているので乗車姿勢は前傾になる。
RC390やYZFR25よりも攻めた姿勢だと感じた。今回のレンタルではカメラと三脚を入れたリュックを背負って300km程走ったが、流石に腰が痛くなった。
しかしタンクの側面の形状がニーグリップした時にジャストフィットする為、前傾姿勢維持しやすい。膝の皿の部分がタンクの凹みにピッタリと合うようなイメージ。
またハンドルの低いスーパースポーツバイクでは疲れてきた時に、シートの前寄りに座ることでハンドルと体を近づけて上体を起こして走る事がある。その時の状態でも膝で挟みやすくなっている。前乗り、後ろ乗りどちらに置いてもタンクがホールドしやすい造形になっていて驚いた。こういったポジションを維持し易いようになっているのはロングツーリングでの疲労軽減に繋がるので非常に助かる。
以上、外観と跨ってみた感じでは、スーパースポーツバイク特有のカッコ良さであるカウルのグラフィックデザインと、シャープなパーツが非常に魅力的で、人に自慢したくなるくらい所有感が満たされる。そしてスポーツ寄りのちょっと姿勢がキツいバイクではあるが、足つきの安心感やニーグリップのし易さ、ツーリングバッグの取り付けにも対応できそうな事から、ロングツーリングでも使っていけると感じた。
実走レポート
ここからはCBR250RRをレンタルして実際に走った感想を紹介していく。
岐阜県各務原市の『BIKE SHOP TRY』さんからスタート
HONDAの250cc以下のバイクとKTMのバイクを取り扱っているお店で、著者のバイクも全てここで購入、お世話になっている。
ここで『HONDA GO バイクレンタル』というサービスを利用してバイクレンタルを行う。
HONDAの公式サイトでサービスの利用登録後、『BIKE SHOP TRY』で『CBR250RR』を何月何日何時からレンタルするかを申し込んで、当日お店に向かえばレンタルバイクツーリング開始だ!
レンタルバイクの楽しみ方は人それぞれだが、今回はニューモデルであるCBR250RRで目一杯走りたかったので岐阜県のツーリング鉄板コースを走ることにした。
お店を出て国道21号線を美濃加茂市まで走り、国道248号から県道63号へ。
この辺りはまだ街中なのでストップアンドゴーが続くが、足つきの良さと取り回しの軽さで安心感があった。
最初の目的地は道の駅平成。休日はバイクも車も沢山訪れる人気の道の駅。
特にパン屋さんのパンが美味しい。最近お店が大きくなり、外の出店みたいな小さな売り場だったのが道の駅本館に移って広々とした店内で落ち着いてパンを見られるようになった。
季節限定のパンも多く、今日は『さくら餡クロワッサン』を購入した。ほんのりあまじょっぱい桜あんと、クロワッサン本来の甘さのバランスがいい。
その後そのまま県道63号を北上して下呂市の岩屋ダム方面へ向かう。岩屋ダムを越えて国道257号に入り、飛騨せせらぎ街道へ。更に北上して飛騨古川の街を目指した。
岩屋ダム湖に沿って続く道ではコーナーが連続してバイク操る楽しさを存分に味わえる。レンタルバイクなのでスピードを出しすぎないように注意は必要。
CBR250RRのギアはかなり懐が深くて、5速6速まで上げてしまった後はそれだけでのんびり走り続ける事ができた。
飛騨古川の街で好きなラーメン屋さんか、飛騨牛コロッケ本舗でコロッケでも食べようと思っていたが、到着すると『古川祭り』の真っ最中で街が封鎖されていた。
出店も出て賑わっており興味が湧いたが、祭りを堪能していると恐らく返却時間に間に合わなくなるのでやむなく引き返す。
道の駅飛騨古川いぶしで一度休憩
インプレの項でも書いた、外観デザインの水色のポイントは正面にもある。フロントカウルのCBRというロゴと、ヘッドライト下に入ったラインが水色だ。HONDA車種であまり見かけない色で新鮮味がある。正直めちゃくちゃカッコいい。
県道90号を南下して、国道158号に入ると一面山の景色になる。標高も800m近くある為春の訪れも遅いエリアで、まだ桜が残っていた。
満開というほどの密度では無いが、今年はバイクと桜の写真を撮っていない事を思い出し、桜が多そうなところでバイクを停めて写真を撮った。
何枚か写真を撮っていると、近くの民家からおじさんが出てきて、バイクと一緒に写真を撮ってくれた。聞けばおじさんも昔はHONDAのCBXに乗っていたそうだ。
まさか自分ものでは無い、レンタルバイクであるとは思いもよらなかっただろうからおじさんはびっくりしていた。けれど1日だけとはいえ100km越えて走ったバイクと記念写真が撮れたのはとても嬉しかった。こういった思いもよらない出来事はツーリングの醍醐味だと思う。
更に進むと左手に大きな水車群が現れる。
ここは心打亭という蕎麦屋さんで、今回は寄って食べなかったがとても美味しい蕎麦が食べられる。
今日もお昼の時間はそれなりに過ぎていたにも関わらず何組かが入店していくところが見えた。
その後は国道158号を郡上方面へ。ひるがの高原まで南下したら県道321号線、通称やまびこロードへと向かう。
ここでもグネグネと曲がりくねった山道をCBR250RRで楽しく走る。スーパースポーツバイクなのでエンジンを回せば回すほどキビキビと走り出すのだが、高回転になる手前、5000〜6000回転あたりで吹け上がる時に『ブォーン』と低音で気持ちのいい音がする。ツーリングメインであまりエンジンの回転数を上げない人でも、レーシーなバイクで走っていることを感じられる嬉しいポイント。
やまびこロードを降りて県道52号に入ると、お洒落な木の建物が見えてくる。
『GーSQUARE』という薪ストーブ店とカフェの複合店で、こだわりのランチとスイーツが美味しいお気に入りのお店に入る。
時刻は15時を過ぎているのでランチタイムは終了してしまっている。ただ14時からはアフタヌーンメニューで、ケーキセット、ガレットセット等が選べる。今日はお昼を食べ損ねたのもあって、ガレット単体とケーキセットを注文した。
ガレットはナイフで割ると黄身が溢れる半熟仕様で、塩胡椒の加減が絶妙で美味い!
ケーキは生チョコケーキに、旬のイチゴとイチゴシャーベットがついた贅沢仕様。これまたケーキの甘さとイチゴの酸味でいくらでも食べられそう!
カフェで大満足の後、時間も時間なので帰路に着いた。
レンタルバイクなので返却前にガソリンを入れるのを忘れずに
今日の走行距離は322.3kmだった。
因みにHONDA車の多くはスイッチを押すと燃費計や使用したガソリンの量を表示させることが出来るので、確認してみる。
燃費計は39.8km/lを表示していた。
使用したガソリン計は8Lと表示されていた。
この計器はどうしても誤差が出てしまうので100%当てにはしていけない。実際より良い数値が出るのでメーターだけをみて給油をギリギリまで粘ってしまうと、最悪ガス欠になってしまうので気をつけよう。
今回実際に給油するとガソリンは8.79L入ったので、メーターより1L近く多く消費されていたことになる。
またこの実際の給油量と走行距離を元に燃費を計算すると、36.6km/lとなり、メーター表示よりも3km/l燃費が悪いことになる。
著者が所有するCB125Rも同じ機能が付いているが、傾向としては同じだ。
燃費消費計は1Lくらい誤差が出るし、燃費計は実際の燃費より2〜4km/Lほど良く出る。
少し話が逸れたが、結論としてはCBR250RRは今日300kmを給油なしで余裕で走れたし、実燃費36km/Lでタンク容量14Lなので36×14=504kmと恐らく450kmくらいは給油無しで余裕で走れそうだということが分かった。ロングツーリングにおいては給油回数が少なくて済むのは非常に楽なので嬉しいところだ。
あとがき
初めてインプレッション記事を書いたので、拙い文章になっていることをお許しいただきたい。
普段のツーリング日記記事のように、思ったことをただ書くだけではいけないと思い、今回マイナーチェンジでカッコ良さが増したCBR250RRの魅力を『伝える』ように意識してはみた。フルカウルのスーパースポーツバイクって、見た目やスペックからしてサーキットや峠を走るイメージが大きいと思うが、その見た目に惚れて購入して、ロングツーリングで使っている人も実は沢山いる。著者も今はRC390を降りてしまったがそのタイプだ。だからもしも、ツーリングメインだからスーパースポーツバイクはカッコいいけど自分に合わないかなぁと悩んでいる人がいたら、そんな事ないよ、意外とロングツーリングできちゃうんだぜ、という事が伝われば良いなと思いながら書かせて貰った。なのでもしこの記事を読んでくださった人の中にそういった人がいれば、背中を押す一助になればなと思う。やっぱりスーパースポーツバイクはカッコいいので、是非色々な人に乗って欲しい!