未来のデイリーライフ

ツーリングの備忘録をメインに、自転車や日常の事も書きます

2023年GWの泊まりツーリング その①

690SMCRと690Enduro Rで嬬恋パノラマラインを走ろう

 

『GWに嬬恋パノラマラインを一緒に走りませんか??』

 

2023年のGWがやってくる1週間前、関東で690enduroR(以下690EDR)に乗っているSNSの友達、コメットさんとそんな話をした。

彼が690EDRを納車してすぐ、同じ690同士で並べて写真撮りましょう!と言ってビーナスラインをツーリングして早半年が経っていた。そもそも岐阜の人間と関東の人間ははそうそう一緒に遊べるものではないので仕方無いところだが、せっかく気の知れた仲間と出会えたのでまた遊びたいとはずっと考えていた。

遊ぶなら岐阜と関東の間くらいのところで、長野、山梨、静岡、群馬…。そういえば群馬の嬬恋村にまた行きたいと思っていたなぁと気づいたのが始まりだ。

 

コロナウイルスでの外出自粛が緩和された今年のGWは、各地に遊びに行く人が増えて混雑しているだろうと思って、いつものように長期休暇での泊まりツーリングはしない予定でいた。とはいえ何もしないのも勿体無いし、長期休暇だからこその特別な遊びもしたかった。ならばここらで関東のコメットさんに声を掛けてみるかと思ったのだ。

 

そうして日時を合わせたのだが、、、

実に天気予報がよろしくない。GWは最初の土日から傘マークが並んでいたのだ。岐阜から関東はかなり距離の隔たりがあるが、満遍なく雨、ようは全国的に雨予報だった。

 

雨だったら中止にしましょう、とコメットさんには断っておいたが、年に一度しかないGWの予定をを雨の一つで無くしてしまうのも何だか惜しい。丁度自己啓発本にも『天気予報で一喜一憂しない』『雨が降っても心晴れやか』などと書いてあった事なので、ダメ元でまずは宿を探してみることにした。宿を取ってしまえば行かざるを得なくなる。宿があれば群馬まで遠いから、帰る面倒が多少軽減される。とはいえGWの1週間前なので、有名どころ、アクセスの良いところ、安いところは予約は一杯でできないはず。これまでの宿探しの経験を活かして、マイナーそうな、それでいて自分に都合の良さそうで、泊まってみたいと思える場所が運良くあれば…。

 

『雨予報だったらツーリング中止にしますが、嬬恋の近くにいい感じの宿をみつけてしまいました』

 

こうして当初は予定のなかったGWの泊まりツーリングが決まったのだった。

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2023年4月30日(日)

雨の高速道路

今年のGWは全体的に雨予報、これには休みを楽しみにしていた皆もがっかり。が、蓋を開けてみれば晴れの日が続き、連休突入前のお通夜みたいな雰囲気はなんだったんだ、なんていうのを毎年やっている気がする。そんな例によって2023年のGWの天気予報も、近づくにつれて傘マークが1日、また1日と下がっていき、結局どこかへ行ってしまった。残ったのは29日の晩から30日の午前中にかけての半分の傘マークのみ。どうせならこいつも消えてくれればよかったのだが、僕が雨男だからか最後まで覆らなかった。

GWに日曜日の中央道、混雑しないはずもなく、恵那山トンネルをを越えるまでは辛抱の走りになるか…、と思っていたのだが、本降りの雨のせいか交通量もSA、PAで休んでいる車も少ない。おかげで安心して進めそうだ。

 

雨の日の高速道路をバイクで走る。雨の日のバイクは滑りやすくて危険、と言われているのに80km/hで駆け抜ける様は冷静に考えるとおかしなものだ。けれど自由に動かすことのできない、替のきかない大型連休だからこそ、雨が降ってもバイクを高速で走らせているし、逆にこんな状況で走れるのも連休のツーリングだからこそ。平日や土日の雨の時に高速道路走ってもバイクは一切見ないが、今日はすれ違うし追い越されるし、SA、PAのバイク置き場にバイクが並んでいる。有名メーカーのシートバッグに蛍光色のレインカバーを被せて走る人。雨などお金の前には無力、フルパニアのツアラーは余裕の佇まい。ライダーが着ているカッパは高確率でかぶる。大体皆ワークマンのイージスを着ている。

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雨の中をひたすら走る。いつか止むはず。早く止んでほしい。止んで、カッパは着たまま走って、集合場所に着く頃には自然乾燥してくれているくらいが理想。諏訪湖まで来たけど止む気配がない。ビーナスライン越えたら止んでると見た。止まない。止んで無い。まだ10時前だし仕方ないか。

道の駅マルメロの駅ながとに着いた。もう1時間とかからずに集合場所である上田市のコンビニに着く予定だったが、雨は降り続いているし、晴れる兆しも見えない。関東のコメットさんも自宅を出たそうだが、このまま雨が上がらなかった申し訳ないなぁと思う。彼は日帰りで帰るそうなので、ただただ雨の日にバイク引っ張り出して来てもらっただけになってしまう。
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と、不安で一杯だったのだがいざ集合場所に来てみれば、雨は止み道路は乾き始めていた。コメットさんが雨男の僕よりも強い晴れ男だったか、単純に長野県は上田市まで北上したことで、雨の降るエリアを越えたか。カッパはまだ少し乾き切っていなかったから、もうすこし着たまま走るとしよう。

方や岐阜県、方や関東中央からの現地集合にも関わらず、大きな時間の誤差なく合流できた2人はそのまま目的地である嬬恋村へと向かった。

 

ワイナリーでソーセージを

最初に『嬬恋高原ブルワリー』という地ビールレストランへと向かった。ようは昼食だ。半年前、営業時間外でソーセージを食べられずに終わった新潟県のカーブドッチワイナリーを引きずっている僕が目をつけた、嬬恋村のワイナリー。ワインは飲めないが、ソーセージが食べたい。大きなレストランだし、綺麗な店内なのでGWはさぞ賑わっているだろと思っていたのだが、意外なほど空いていた。おかげで落ち着いてコメットさんと半年ぶりの再会の挨拶ができる。
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メニューのオーダーは席にあるタッチパネルですることができる。回転寿司に行くとお馴染みだし、コケコッコー共和国の食堂でも同じシステムだった。

僕はアルコール飲めないので良いのだが、コメットさんは飲める人なので、自ビールやらワインがメニューに所狭しと表示されているのに飲ませてあげられないのは申し訳ない気持ちになる。

運ばれてきたのはソーセージセット、水牛モッツァレラのマルゲリータ、和風キノコパスタ。ソーセージセットは単品で、ピザとパスタは2人以上で2品以上頼むと割引されるセットになっている。

 

まずソーセージセット。見るからにワインと合いそうな見た目だが、無くても美味い。いや飲めんから無いだけだし、飲めんのに合いそうとはこれ如何にという野暮なツッコミは無しで。一応アルコールは飲めないといえど、刺身をつまみにビールが進むっていうのはすごく分かるのだ。ビールが苦くて、酔っ払った時の気分の悪さが嫌いなだけで、酒と合う食べ物がある事は知ってるのだ。だからきっとこのソーセージもワインと合うんだろうなってのは想像が付く。あとチーズも美味い。チーズ盛り合わせというメニューはないのが惜しまれるくらい、このチーズだけあと2、3個欲しかった。

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和風きのこパスタの方は鰹節が掛かっているのは珍しいなっていう話をコメットさんとした。マルゲリータは僕が、きのこパスタはコメットさんがチョイスしたけど、奇遇にも好みが似ていて嬉しい。僕もメニューにキノコのパスタがあれば選んでしまう。偶々知り合った仲だが、ひょんなところで共通点があると嬉しいもの。
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美味しい昼食を終えて外に出ると、一面灰色だった空が明るくなって、嬬恋村の広大な丘陵地帯と立派な山々が見通せるようになっていた。来るまでは晴れるようには思えなくて、どん曇りの中寂しいツーリングになってしまわないかと心配していたけど、杞憂に終わったようだ。これならば『お互い』写真撮影が捗るというもの!

 

嬬恋のいいところ

嬬恋パノラマラインのある嬬恋村は、群馬県の長野県寄りに位置する。岐阜県から向かうと、飯田を越え諏訪湖を越え、ビーナスラインを越えて上田市に入り、浅間山という活火山を越えるか横目に走ってようやく辿り着く。要するに結構遠い。片道距離にして250km近く。曲者なのが高速道路が最短距離で繋がっていない。岐阜県から山梨県に行くのに諏訪湖まで迂回して中央道が引かれているように、千曲市まで回らないと最寄りの上田市のインターまで辿り着けない。もしくは諏訪湖で早々に高速を降りて、下道で北上していくしか無い。のだが、それでも苦労して訪れたいと思うほど、良い景色が広がっているのだ。

 

レストランを出た僕とコメットさんは、『さっき来る時に偶然見かけた良さげな場所』へと戻った。そこは浅間山に向かって伸びるような1本の道と、広大な畑。電柱もなく、ただあるのみ。大自然を走る絵が撮れそうな場所。

…なんてブログ記事なので小難しい表現をしてみようと頑張ってみたが、ようは『良さげだったからバイク停めて写真撮った』だけである。しかも今は2人、ツーリング好き写真好きが集まっているので『バイクで走ってるところ撮りたいので、ちょっと走って貰っていいですか?』と言えるのだ!

まだ山は夏のような青さはなく、畑も起こしたばかりで真っ黒。天気は回復傾向とはいえ透き通るような青空が見えるわけではない。風景だけ写すとまだモノクロ寄りなのだが、そこにやたらとオレンジの主張が激しい690EDRを走らせると丁度よく見えると個人的に思う。

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本州ツーリングしている中で、北海道っぽいと言ってしまう景色に出会うことがある。この場合の北海道っぽいとは、ひたすらまっすぐな道が続いている、物凄く開けた場所、電柱や鉄塔がなく道だけがある等を言うが、ここ嬬恋でも北海道っぽいと言える景色に会える。この内、電柱や鉄塔がなく道だけがあるというのは、海外ツーリングのイメージでもあると個人的に思う。海外は日本のようにどこへ行ってもインフラが通っているわけではなく、だだっ広い荒野、断崖絶壁に通された道路、ポツンとある農家の家につづくじゃり道だとかそういうのを想像する。僕らが乗るKTMも海外メーカーなので、そういった景色とマッチしていると思えて仕方がない。だから気分はKTMのPVの人たちになったつもりで、畑を貫く1本の道を2人で走った。
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嬬恋に来たのは今回で2回目。前回来た時からは5年以上経っていたけど、高台から見渡せる景色も、巨大な浅間山も、車のCMでも使われたと言うパノラマライン上のコーナーも変わらずにあった。初めて来た時に景色の良さ、走った時の気持ちよさに感動して、また来ようまた来ようと思いながらも、RC390からSMCRに乗り換えるまでついぞ来れなかった地。再来するだけならまだしも、カメラ引っ提げて、わざわざ来てもらったコメットさんに何度も何度も走ってもらって、僕自身は変わったのか変わっていないのか。

僕もコメットさんも、高速道路で何時間もかけて嬬恋まで来たけれど、半日かけて村を半周したかしてないかくらいのツーリング。ちょっと走って停まって写真を撮って、必要ならお互いに走ってもらってそれを撮影して。趣味が合う人としか出来ないやり方。1人では難しいやり方。

『楽しい1日でした、次は予定さえ合えば、KTMミーティングで会いましょう』

僕は此度の宿へ、コメットさんも自宅へ、それぞれのGWへ戻って行った。
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↑これはコメットさん撮ってもらった写真

 

 

続く

bluemily-forest.hatenadiary.jp