未来のデイリーライフ

ツーリングの備忘録をメインに、自転車や日常の事も書きます

Vittoria TERRENO DRY

昨今のグラベルロード用タイヤといえば、国内メーカーであるパナレーサーの『グラベルキング』という印象がめちゃくちゃ強い

完成車を見ると大抵グラベルキングが付いてくるし、ショップに行っても大体置いてあるタイヤだ

 

かくいうGIOS nature carbonも完成車に付いてくるのはグラベルキングSKの38C

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手に入りやすさと価格を考えると、取り敢えずグラベルキングにしておけばいいや、ということになりやすく、現に今まで『グラベルキングSK 38C』『グラベルキングSS 38C』『グラベルキングSS 42C』『グラベルキング28C』と全部グラベルキングのタイヤにしてきた

実際走りにも問題はなく、見た目もいいので良いと言えば良いのだが、世の中には他にも沢山のタイヤがある。偶には違うグラベルタイヤを試してみたく無いか、と思い立ち、今回導入してみたのが、

 

『Vittoria TERRENO DRY』

今記事ではこのタイヤについての備忘録とする

 

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サイズは38C。今まで使っていたグラベルキングと同じ太さ。カラーは2種類あるが、『Black/para』をチョイス。いわゆるブラウンサイド。グラベルロードはなんとなくその方がかっこいいと思う。

なぜVittoriaにしたかというと、ロードバイクのタイヤはVittoriaのコルサを使っているので、Vittoria自体が好みだから。

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そして魚の鱗のような個性的なドレッドパターンが面白いなと思ったから。

Vittoriaのグラベルタイヤでノブの低いパターンは共通してこれになっている。グラベルキングのドレッドパターン見飽きてきているので、良い刺激。

グラベルキングでいうところのSSに当たるモデルだと思っている。他のモデルとしては、サイドが鱗でセンターが完全にスリックなものと、殆どMTBのようなブロックパターンのものがある。

 

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そんなテレーノドライであるが、少し前の記事でグランフォンド熊野に参加した時にも履いていた。クリンチャーで。

走りとしてはグラベルキングSS 38Cと概ね同じ。気持ちこちらの方が柔らかく、グリップ感がある。グラベルキングが転がり抵抗が少なくてよく走るとするならば、テレーノドライはグリップ感によってよく進む、という感想。なのでグランフォンドでも走行性能に不満はなかった

 

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気になった点は小石などを巻き込んでフレームをよく傷つけるところ

元々38Cで完成車が売られているグラベルロードで、メーカーの指定するタイヤクリアランスは42Cまであるので余裕があるはずなのだが、妙にフレームを傷つけてくれる。小石がくっつくほどにグリップ力が良いのか、グラベルキングに比べてタイヤ外径が大きめなのか、ちょっとよく分からない

 

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そしてTLR対応なのでやってみたのだが、上手くいかなかった

ホイールは『フルクラム レーシング3DB』

シーラントはパナレーサーを使用

ビードは簡単に上がった。グラベルキングよりもあっさりと

しかしシーラントを入れてもエア漏れが止まらない

 

一晩明けて空気が抜けきっているのは仕方がない。まだシーラントが全周に行き渡っていなかったのかも

次の日も抜けきっている。ダメ元で5分くらいタイヤを回して空気を入れる

翌日もまた抜けている。ならばとシーラントを追加投入。相変わらずサイドからじゅわじゅわシーラントが滲むが、滲んだところは塞がるに違いない

がしかし翌日も空気は抜けきっていた。もうダメだ…

 

上手くいかなかった原因として考えられるのは、

Vittoriaのタイヤとパナレーサーのシーラントが相性が悪かった

既にクリンチャーで運用しており、新品のタイヤではなかった

シーラントもボトルを開封してから2年近く経っていた

 

という感じで、チューブレス化のトライはこれで3回目なのだが、初回以外成功していない

さして試行回数もないのに、メーカーの指定通り新品を用意していないので上手くいかないのは当然といえば当然なのかもしれない

 

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そんな訳で再びクリンチャー運用に戻したテレーノドライだった

TLRにして低圧運用したかったのに残念だ

悔しいのでクリンチャーだけどフロント2.5barリア3.0barで1時間ほど走ってみたが十分快適だった。リム打ちパンクは心配だが

 

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3ヶ月ほど雨の日も含めて毎日通勤で乗り回した結果、リアは魚の鱗のドレッドが大分薄くなった

駆動側+スプロケがあるので重い+雨でも使用という悪条件もあるが、やっぱりグリップ感の分ライフはそれほど高くないのかもしれない

チューブレス化の為にタイヤを外したのでフロントタイヤと入れ替えた

 

 

 

余談

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フロント テレーノドライ38C

リア グラベルキングSS 42C

前後でタイヤ太さを変えるのをやってみようとしたが、

同じブラウンサイドのタイヤといえど色が違いすぎて見た目が微妙だった

 

第二回グランフォンド熊野への参加(2日目)

前回の記事はこちら

bluemily-forest.hatenadiary.jp

2024年2月4日(日)

いよいよ初めての『グランフォンド』系イベント。初めてのサイクリングイベントソロ参加。初めてグラベルロードでの参加。

 

朝6時半に尾鷲のホテルを出て20分ほどで、会場の熊野市新鹿町へ到着

夜中の雨で路面はしっかり濡れていたけど、雨は上がっていた

 

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芝の駐車場は雨をたっぷり吸っていてびちゃびちゃ

少々泥をつけながら自転車を組み立てた

GIOSのグラベルロードバイク、nature  carbon

ロードバイクも持っているけど、そっちは今カーボンリムブレーキになっていて、濡れた路面での制動力が信用できなかったのと、レースじゃなくてサイクリングイベントだしグラベルロードでも余裕でしょ!ということでの選択


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海沿いの駐車場から望む三重のリアス式海岸。静かで良い雰囲気

写真を撮っていたら駐車場の誘導係の方に話し掛けられて、岐阜から来たこと、昨日は尾鷲に泊まって来たのだと話した。が、言ってから気づいたけど、一応熊野市盛り上げようみたいな意味合いもあるイベントなのに、どうどう『尾鷲』と言っちゃったのは印象良くなかったかもしれない。グランフォンド熊野では熊野市の宿への斡旋もやってくれるので尚更

と言うことがあったからだけが理由ではないけど、次イベント参加する時は熊野市の宿への斡旋を受けてみようかなと思った

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駐車場から800mほどの新鹿中学校がスタートとゴール地点、メイン会場だ。受付のテントと、KINANレーシングさんの販売ブースが出店している

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前日に受付は済ませてゼッケンも貰っていたけど、当日には『ライダーパス』と呼ばれるチェックイン用の台紙を受け取るためにもう一度受付をする

こういうの貰うとワクワクしてきますね!

そしてこの紙を見て、今日のエイドポイントでのお品書きが判明

おっと、思っていたよりパターンが少ないな。そしてバナナ率が高い(笑)

以前参加したハマイチサイクリングや、ボランティアスタッフとして参加したツールド八百津、付知サイクリングと比較するとちょっと肩透かし感が

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イクラックが沢山用意されていたけど、全然埋まり切っていなかった。かなり余裕をみて設置してあったのかもしれないし、後で聞いた話では(雨予報からか)当日キャンセルが多かったからなのかもしれない
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ラックにかけられたバイクを眺めて行くと、基本的に皆んなロードバイク

クロスバイクやミニベロは少ないし、グラベルロードなんて自分含めて数台しかいない

リムブレーキ車が多かったけど、カーボンホイールやディープリムホイールは少なくて、全体的に『戦闘力』は低めだなぁと言う印象を受けた

 

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開会式が始まる。やっぱり人が少ない気がした。募集人数は、120kmコースが100人、50kmコースが50人の計150人だけど、100人居たかな?

関係者挨拶ではKINANレーシングチームの人たちやその責任者の方、自転車の何か連盟の偉い人が来ていたようだけど、そのあたりは疎いのでよく分からなかった。

『続きまして熊野市長からのご挨拶を…』と聞いて、こんなマイナーそうな自転車のイベントに市長来てるの!?と思ったら、『役所の課長様に代読いただきます』というオチでカクンとなった

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開会式が終わり、スタートに向けて会場がざわざわし出す

参加者としてはワクワクして盛り上がってくるし、運営、ボランティアの人達は持ち場に着くために慌ただしく動き出す

BMWのGSが待機していて、運営さんが持ち場に行くまでの足かなと思っていたら、イベント中コースを行ったり来たりして参加者を見ていてくれたようだった。

 

スタート時間になり、ゼッケン番号順、10人ずつでスタートしていく。僕は70番代だったので7組目のスタート。さっそく出遅れて3人くらいに置いていかれる。

 

  • スタート 新鹿中学校→AS三木里エイド (距離25km 獲得標高340m)

スタートの中学校を出て海に下る。結構なスピードが出せるが、今イベントのメインルートとなる国道311にぶつかると一時停止の看板があるのでスピードはリセットされる。国道311に入ってすぐは勾配1〜3%くらいのほぼ平坦路。スタート直後ということもあり、皆んな飛ばすのでタイヤが太いグラベルロードではロードバイクについて行くにはやや不利。追いつけない。けれどすぐに登りに入る。登り出すとペースはグラベルロードでもロードバイクでもさして変わらないので、先行していた人たちにも追いつく。

リアス式海岸に沿ってグネグネアップダウンを繰り返す道は、海街見えること以外は岐阜のサイクリングコースと概ね変わらない。

 

想定していたとはいえ、早々にかなり登らされて本気で走ってしまったけど、これはサイクリングイベントだ。しんどい思いをして走るものじゃないはず。

僕はこのイベントに、美味しい食べ物と、良い感じの景色で写真を撮ることを目的にやって来たので、適当に下りの途中で止まって写真を撮ることにした

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下りのトンネルを抜けて、橋を越えたらまたトンネル。道幅は広く、車は滅多に来ないので気持ちがいい

うむ、熊野まで来て自転車乗っているし、こうやって写真を沢山撮らねばな、と思っていたら、後ろから来たバンのスタッフさんに『大丈夫ですかー!?』と声を掛けられた

まさかの心配されたパターンである。あれこのイベントって『2月でも温暖な気候に恵まれた熊野で、起伏に富んだ奥深い山々や海岸沿いなど風光明媚な
景色を楽しむことを目的としたサイクリングイベント』(大会要項より引用)だよな…?この時点で若干雲行きが怪しくなって来た

ただ確かにエントリーした距離120km獲得標高2000mコースは制限時間があり、各ポイントで足切りがある為、全くの余裕があるわけではない。取り敢えず最初のエイドまで走った時の時間を見て、今後写真撮影をするか決めていこうと思った

 

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三木里エイドに到着したのは9時10分くらい

既に半分くらいの人が到着、出発済みのよう

バナナ、大福、マドレーヌを貰う
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このチェックポイントに制限時間はないが、ここから15km先のチェックポイントには制限時間がある。およそ1時間半後だ。当時『なんだ写真撮ってたけど1時間余裕あるじゃん』と思ってたけど、勘違いしていた。
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曇っているが海の見える気持ちのいい場所
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マドレーヌには熊野の焼印が。美味しい
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勘違いで1時間余裕があると思い込んでいた僕は、食べた後優雅に写真を撮っていた。うん、俺のバイクかっけえな
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こんないい景色きたら写真撮らないと勿体ないっしょ

 

  • AS三木里エイド→CPキナン尾鷲営業所 (関門10:30) (距離15km獲得標高350m)

僕がエイドを出た時にはもう人がまばらになっていたけど、コースに復帰して登りが始まると、それまでに見た事の参加者の人たちに追いついて、まぁまぁ悪くないペースなのかなと思う。

軽く一つの峠を越えると、次に待ち受けるは『八鬼山トンネル』までの長い長いつづらのヒルクライム。ついに足をついて押している人も現れた。

確かに後半めちゃくちゃキツいところがあったのだけど、終わってからstravaで見返すと、距離0.92km平均勾配14.2%というガチ激坂な箇所があったらしい。まさに最初の関門

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トンネルを降りCPに着くと、時間は10時20分。猶予は最早10分しか無かった。いやマジか。悪くないペースで登って来たはずなんだけど、道端で写真撮ったり最初のエイドで写真撮ったのがまずかったのか…?

ここでは『にい姫ウォーター』という熊野の特産柑橘類のジュースだけ貰えるが、先程の激坂とこの先もまだ300m登ることを考えて、持ってきたPOWbarを食べておいた

 

  • CPキナン尾鷲営業所→AS道の駅熊野きのくに(距離17km獲得標高380m)

このチェックポイントからは国道42号を辿ることになる。

誘導係の方が『ここからまた10kmくらい登りが続きますが、ここまでよりは緩やかですよ〜』と言っていた。そう言われると苦笑いするしかない。そういえば僕もボランティアで誘導係だった時は坂の頂上で下りの開始点が持ち場だったので、ヒィヒィ言いながら登って来た参加者さん達に『ここからは長い下りですよ〜』と声を掛けたものだ。今日こうして声を掛けられる側になってみると、励ましが貰えてありがたい気持ちがよく分かったけど、やっぱり自分も誘導係として辛そうな参加者をしめしめと思いながら見送る側になりたいという考えも浮かんだ(性悪)

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さて、言われた通りチェックポイントを出てしばらくは斜度6%以下のなだらかな登りが続く。ここまで距離40km獲得標高600mを走って来ているので身体は十分ほぐれている。なので6%までならばくるくる足を回していれば登っていける感覚になっていた。
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ただしやはりロードバイク界隈の甘い言葉は信用できないとは言ったもので、徐々に7%越えの斜度になってくる。そうなってくると1番軽いギアで何とか進むしかなくなる。関門時間に間に合わすためにペースを上げないといけないのだろうけど、無理。なんやかんや他の参加者さん達を追い抜けはするものの、前の集団に追いつくとかそういうレベル速さではとてもない
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この辺りで写真を撮ってもらえていたようで、運営さんが公開している写真の中に自分を見つけた。カッコよく撮ってもらえて嬉しい!

 

峠のてっぺんより少し前で5人くらいの集団に追いついたので、トレインが始まるかと少し期待したけど程なくして解散。1人が追い抜いて、僕は少し様子を見たけど追いかけられそうだったので追走。そのまま2人で頂上のトンネルに入り、下りが始まるのが見えたので、登り切る前に追い越してダウンヒルを開始。下りには自信があったので。とはいえこちらはスピードの伸び切らないグラベルロードなのでもしかしたら追いつかれると思っていたけど、そのまま道の駅まで先行して着いてしまった

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道の駅でのエイドは、前回のグランフォンド熊野でも評判だったらしい『ぜんざい』

切り餅が入ってるのかと思ったら、切り餅を薄くスライスしたようなパスタみたいな餅だった。2杯くらい食べないと全然足りないよ!
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それと焼き菓子をいくつか持って行って良いよとの事だったので、2つ頂いた。美味しいのだけど熊野らしいかと言われるとちょっと違うような。熊野市の洋菓子屋さんのお菓子ではあるんだけど。

ここの自販機でボトルを補給して出発した

 

  • AS道の駅熊野きのくに→AS新鹿海岸エイド (関門12:00)(距離11km獲得標高65m)

獲得標高が示すようにこの区間は今までと変わって下り基調が続き、長い登りはほとんどない

が、ずっと走って来た国道42号を離れ、県道737に入ると程なく登りが始まる。こまれでに比べれば長くないのは確かなのだが、コースも折り返し地点という事で1番メンタルに来ているところ。『まーたのぼるのかぁ』と愚痴がこぼれてしまう

脚は動くので淡々と登り、トンネルを越えるとダウンヒル開始

これまでの広くて綺麗な路面だった国道311、国道42と打って変わり、車のすれ違いが困難な道幅、タイトなコーナー、路面は濡れて落ち葉が有る等、やさしくない区間だった。中津川や八百津のサイクリングイベントでは、注意喚起のためにボランティアスタッフを配置したり、事前に路面の落ち葉を清掃するなどの対応を行うレベルだと思った。普通に落車が起きても不思議ではない雰囲気だったが、もう既に後半組だからかそういった人には合わなかったし、落車が起きた様子もなかった。

この区間を思うと、カーボンリムホイールで来なくて良かったと思えるし、そうでなくてもこの後DNFを選ぶ決め手になったとも言える

 

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関門時間の5分前にエイドに到着。サインを貰っておにぎり等を受け取っていたら12時の鐘が鳴った

同じようなタイミングで入って来た人たちから『ギリギリやん…』という声が聞こえてくる


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おにぎり二つとたくあん、バナナ、みかんのパウンドケーキ、飲み物はコーラか水が選べる。おにぎりにコーラって合わないように思えるけど、こういうイベントの後半でコーラが出ると聞いたことがある気がして、コーラを選んでみた。ロングライドにおいて糖分が必要だからかな?
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たくあんがやたら美味い。おにぎりはほぐしたしゃけと梅。海苔はめちゃくちゃ磯の香りがして、漁村らしさを感じた

エイドを食べている間にも次の関門までの時間は減っていく。そして後からエイドポイントに入って来た人達は、残念ながらタイムアップということで、緑のペンでチェックがされ、スタッフさんから学校(スタート地点)に向かってくださいと言われる。
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次のチェックポイントにも13時の関門が設定されており、現在地から距離16km獲得標高480mを走らなくてはならない。今が12時なので1時間のタイムリミットだ。

距離はともかく1時間で480m登れるだろうか。そもそも今おにぎりを食べていて、急いで食べたとしても残り50分。出発して13時に間に合わなくてもそこまで登ることに意味がないわけではない。けれど間に合わなかった場合、8の字に引かれたコースの都合上、さっき通った危険な降り区間をまた通らないといけない。

辞めるか、ここで…。天気もいいし…
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という事でDFNすることにした

この先のエイドが食べられず、コースも堪能できなくなってしまった残念な気持ちと、もうひーこら言いながら登らずに済むようになった開放感が入り混じった複雑な感情になる

残念ではあるが、時間制限も無くなったので、写真を撮ることにした

曇天だった朝から、気づけば澄んだ青空が広がっている。濃いめのエメラルドグリーンの海も実に綺麗だ
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お疲れ様GIOS

遥々海を見に旅をして来たみたいでカッコいいね
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しばらく穏やかな山海の風美を堪能してから、スタッフさんに学校に戻ることを告げた

 

  • イベント終了

学校に戻るとそこそこの人が。

50kmコースの早く戻って来た人たちや、関門に間に合わず戻って来た120kmコースの人たち。

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完走しようが出来まいが、最後には振る舞いがある。すり身のつみれ汁と
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郷土料理が詰まった感じのお弁当。そうそうこういうのを待っていました!

押し寿司とかめはり寿司とか。しいたけ、お揚げ、鶏肉はこの辺りのものなんだろうか?

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みかんゼリーには給食ぶりに三つ折りにしてつかうスプーンがついて来た。なつかしい!
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懐かしいといえば学校で弁当を食べるというのも懐かしい。青空教室だけど
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順当に行けばまだ走っている人たちがいるので、会場に大きな動きはない。弁当を食べたら流れ解散みたいなものだ。

いや、残念だった。最後まで走れなくて。

何が原因で走りきれなかったかというと、写真撮ってたのが良くなかった気がする。

最初のエイドに着く前に『大丈夫ですか!?』と声をかけられた時、最初のエイドを食べ終わった後に人がまばらになるくらい写真を撮っていた時。それだけで1時間ロスしたとは思えないけど、そうしていなければ次の関門にはなんとか着けていたんじゃ無いかと

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DNFした時の記録では平均速度約22km/hが出せていた。

120kmコースは7時間の制限時間なので、単純に割ると平均速度17km/h、休憩時間込みでも19、20km/hで間に合ったはずだし、それは他のロングライドイベントでも同じような感じだ。

 

思えばカメラを背負って走っている人は僕しか居なかった気がする。もっと居ると思っていたんだけど、見ていない。撮ってる時間も勿体無いなら、背負っている重量も勿体無い(笑)

それは結果論だけど

 

ロードバイクよりも重いグラベルロードだったから、という理由は認めたくは無いかなぁ。38Cのセミブロックタイヤでロードバイクよりは抵抗大きかったかもしれないけど、フレームはカーボンなのでそれなりに軽くてよく進むバイクだと思ってるし、現にスピードは出ていた。ただ降りや平坦の惰性で進める距離、速度の維持はロードバイクより劣っていたのは確かで、ロードバイクならばもっと時間的余裕があったとは思う

 

来年もリベンジしよう。今度はロードバイクか、悔しいから次もグラベルロードか

 

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会場を後にして帰路に着く前に、鬼ヶ城へ寄り道。ここの海鮮丼が安くて美味しくて好き。あと『熊野が好き』が永遠に流れていて耳に残る。本当に好きになる
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昨日買えなかった直売みかんと、梅干しを買って帰った

 

そしてやはり頑張った後の温泉へ

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熊野市の会場付近には温泉が無いので、30分ほど車を走らせて尾鷲へ。
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小高い丘の上にあって眺めが良い。内湯外湯1つずつでめちゃくちゃ広いとは言えないまでも、広い内風呂でくつろげた。700円
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昨日一晩過ごした街並みを見下ろして感慨深くなる

完走はできなかったけれど、お気に入りの熊野の地にこうして再訪できたことも、自転車で走ることができたことも本当に良かった。

 

 

 

第二回グランフォンド熊野への参加(1日目)

去年と違う年を過ごすために、今年は自転車のイベントに積極的に参加しよう

そう思ってスポーツエントリーのサイトとにらめっこ

ひとまず、参加して見たい、距離的にも無謀では無いいくつかのイベントの候補を決めて、いざエントリー

その一番最初のイベントが、2月早々にやってきた

 

それが『第二回グランフォンド熊野』

 

2024年2月3日(土)

因みに本イベント開催日は2月4日(日)で、3日(土)は関係がない(正確には前日受付をやっている)

今回の記事ではイベントに参加するために、開催地である三重県熊野市へ前入りした様子を書いていく

 

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早朝、と言うほどでも無いけど、清々しい朝、笠松競馬場を通過し、200km以上離れた熊野市へ下道7時間かけて向かった

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桑名市に入り、河川敷の公園でトイレ休憩。三重県に突入する事は容易いが、熊野まで行くのには中々骨が折れる

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気持ちの良い晴れ空だけど、この時点で明日の朝の天気予報は雨。

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自転車のイベントは雨天決行が基本だけど、あまりに荒天だと流石に中止になる。半年前の富士山ヒルクライムがまさにそうだったから、またしてもイベント中止になったら流石に悲しい

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道の駅津かわげで10時の休憩。先は長いのでこまめに休憩。これはいちごのバームクーヘンにチョコが掛かったもの

 

松阪市を越えて大紀町

ようやく三重県縦断も半分くらい

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お昼にちょうどいい時間だったので、偶々Googleマップ眺めていた時に見つけた気になるカフェに行ってみることにした

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『cafe めがね書房』さん。眼鏡にこだわっている者として、めがねの名のつくカフェは見過ごせ無い

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ブックカフェだとは認識していたけど、古民家カフェでもあったとは驚いた。

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物凄くお洒落でいい雰囲気だ。この写真をパッと見てトイレを背にしているとわかるだろうか。でもよく考えれば縁側の突き当たりには確かにトイレあるよね、古民家

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これほどこのお店に相応しいタイトルの本も無い。何なら僕自身にも相応しい。珈琲が趣味のメガネ野郎なので。どうも眼鏡のファッション雑誌(そんな物があるとは初めて知った)の珈琲特集回だった。

欲しくなって調べたけど、流石に古すぎてアーカイブに名前こそあったけど、紙の注文もデジタル版の購入もできなかった。読みたければまたこのお店に行くしか無いか

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ランチはバターチキンカレーのみ。ライスは古代米。スプーンで切れるくらいに柔らかいけど、ジューシーな鶏肉が入っている。メニューの説明にあるようにじっくり煮込まれた、美味いカレールーだった

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ドリンクとデザートをつけて1800円。カフェ巡りが趣味なので躊躇わ無い。というかただ珈琲と甘味が好きなだけ

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デザートはバスクチーズケーキ。つい先日の九州ツーリングでバスクチーズケーキが美味しいと評判のカフェを諦めていたので、これはと思ってチョイス。これもまためちゃくちゃ美味しかった。上面パリッと、レアチーズケーキのような濃厚なめらかな本体生地。ホイップもたっぷりつけてくれているのが嬉しい

 

それにしてもブックカフェである

昨今だと大型商業施設の広い書店に併設のカフェスペースがあるのは珍しく無いし、半年前には移動ブックカフェと称してチョコバナナとコーヒーを提供しているキッチンカーを見かけた事もある。僕自身は最近自己啓発本を読むようになって読書に縁ができたのもあって、今日もこうしてブックカフェに来て見たわけだ。けれど商売として見た時にブックカフェって成り立ってるのだろうか。カフェは飲食業なのでお客さんを回してナンボだと思うのだけど、読む本と場所を無料で提供しつつ、珈琲やスイーツは有料ではあるけど、1時間本を読む人が珈琲3杯4杯も頼ま無いわけで、全然稼ぎになら無いように見える。ただ『ブックカフェ』という場所が魅力的なのも事実。きっと今後も読書をする人は減っていくんだろうけど、ブックカフェが欲しい人は絶対居る。実際儲けてるのかそうで無いのか分からないけど、多くの人が必要としていなくても、確かに存在する一部の好きな人の為にカフェをやっているのだとしたら、それはすごい事だなぁと思った

 

因みに僕も1時間ほど居させて貰ったが、気になった点がひとつ

美味い珈琲片手に読書出来るのは理想的な環境ではあるが、珈琲好きとしては、人が淹れてくれた珈琲は冷めないうちに飲みたい。冷めても美味しい珈琲はあるけど、珈琲はやはり淹れたてが1番で、自分が淹れた珈琲は冷めても仕方ないが、淹れてもらった珈琲を冷まさせてしまうのは悪い気がしてしまう。かといってブックカフェですぐ飲んでしまうと、結局読書するだけになってしまう。

という面倒な人間なので、僕はブックカフェ向いてないなぁと思った(笑)

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かくして、15時を過ぎた頃ようやく目的の熊野市駅前に到着した。その頃には明日の雨予報が信じられる程度にはどん曇りになっていた

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初めて訪れた熊野の駅前は、予想外にがらんとしていた

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地面と同じ高さに噴水が出ている

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昔からありそうな駅前の書店。こういう所雰囲気あっていいよね

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駅前にやって来たのは、ここにある『熊野市文化交流センター』がグランフォンド熊野の事前受付場所だからだ。図書館と文化会館がくっついたような館内を進むと、控えめな主張で看板が立っていた

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事前受付をして、前日に受付した人だけが引ける特典のくじを行う。残念ながら1番下の4等。自転車用のアームカバーと、熊野土産のレトルトカレーとお米2合を戴いた。十分豪華!

 

せっかくなので駅前を少し見て歩く事にした

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熊野の駅にはどんな電車が来るのだろうと駅舎に入ると、電光掲示板には次の電車は1時間後にしか来ないと表示されている

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全然電車来ないじゃんと思って時刻表を見たら納得した。1時間に1本しか通っていなかった。まさかだ

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陸橋からホームを見下ろす。よく見たら電線が通っていないので電車じゃなかった。地元と同じだ。三重県にも走っているとは意外や意外

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駅舎を出ると目に入るのはリノベーションされた和風の建物。大きく観光案内所と書かれている。写真には写っていないが、同じような古綺麗な建物でお土産さんもあった。

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まず観光案内所に入るとアニメの展示が目に入った。『凪のあすから』という作品の聖地らしい

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名前は聞いた事があるけど見た事はないアニメだ。何回か熊野に来ているけど、アニメの聖地になっているとは知らなかった

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観光案内所の2階ではしっかりとパネル展示が行われており、原画みたいなものまで見れたけど、知らないアニメなので何も分からん。せっかくなので帰ったら観てみようかな。1階ではアクスタやコースターか何か、グッズ販売もしていたし

 

隣のお土産さんは、駅前だしラングドシャとか饅頭とか当たり障りないものしか無いかなと思って入ったら、またも予想外。

 

那智黒、熊野のヒノキ、柑橘系、勝浦のマグロと、充実のラインナップ。それほど広く無い店内に綺麗に整列してあって、思わず長居してしまうほどだった。

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三重県とコラボしているポケモンティーバッグ、熊野のヒノキの香り袋、にいひめドレッシング、梅マグロ缶を購入した

 

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沢山お土産を買ってしまったけど、今回車で熊野に来るにあたって買って帰りたい物があった。

『道の駅パーク七里御浜』にある直売所で買える柑橘類だ。バイクで何度も訪れているが、バイクでは買って帰れない。

と思っていたのだが、15時にお店が閉まるようで買えず…

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道の駅の方ではみかんが買えるようだったけど、ちょっと違う。沢山の種類のオレンジやみかんだけがずらっと並んでいるあの直売所で買いたい。明日リベンジする事にした

 

そういえば道の駅の名前にある『七里御浜』に降りた事ないなと思って、見にいく事にした

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大きな歩道橋で道路を渡ると、目の前に広がる海岸線

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綺麗な青い海が見える

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『七里』の名前の通りべらぼうに広い砂利の浜

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調べたら25kmもあるらしい。南北の長さもすごいが、防風林から波打ち際までもなかなに遠い。
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やっと辿り着いた波打ち際。砂浜じゃなくて砂礫浜だからか、波が引いた時に小石同士がぶつかり合う音のようなものが聞こえる

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天気が良ければもっと綺麗なブルーの景色が見られたろうになぁ

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しばらくぼうっと波打ち際を見ていた。こういう時間好き

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せや、と思ってアクキーの撮影会を始めた(何が『せや』なのかは自分でも分かってない)

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所謂オタ活、推しカツというやつだろうか。色んなアクスタ外に持ち出して、旅先で写真撮るの、面白いかもしれないな

 

良い時間になったので熊野市から北上し、尾鷲市へ一度戻る。今日のホテルはそこ

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『シティホテル望月』さん。最近良いなと思ったホテルが喫煙部屋しか空いてなくて諦める事が多い。タバコ臭いの平気と言えば平気だけど、喫煙部屋か禁煙部屋かと言われたら禁煙一択かな…。ここは禁煙が空いていて約6000円で素泊まり出来る良い塩梅。最近ホテルの値上げをかなり感じる。

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夕飯を求めて夜の街へ。ホテル近くにこれまた昔からありそうなペットショップがあった。積み上げられたペット用ゲージが見える

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ケーキ屋さん。18時ともなると殆どショーケースは空だ。残っているケーキを買いたくなる

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少し歩くと飲み屋街がある。海沿い街らしく魚料理の食べられる食事処があり、目星を付けていたお店があったのだけど、いざ着いてみると暖簾をくぐるか悩んでしまった。以前鹿児島の夜に入った飲み屋さんで常連さんに絡まれて、帰るタイミングが分からなかったことを思い出す。僕はお酒を飲まないし、シラフで相手をできるほどコミュ力も高くない

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入るか入らないか決められず、飲み屋街近辺を歩き回る。クレープ屋さんを見つけた。ここは入れる。けど今はクレープという腹じゃない

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飲み屋街の先に見えるのは尾鷲駅だった。尾鷲駅ってもっと大きくて人が沢山いると思っていたけど、全然暗いぞ

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タクシーこそ待っているけど、人気が殆どない尾鷲駅。天気予報で四日市や津と並んで三重県の代表地点として名前があがる尾鷲市だから、もっと駅前は栄えているのかと思ってた

時刻表を確認したら熊野と同じく1時間1本しか電車が来ないらしい。尾鷲も先ほどの熊野にも特急は停まるが、それも3時間に1本だった。驚き

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お店で食べるのは諦めて、イオンまで歩いてきた。思っていた綺麗で巨大なイオンではなく、年季の入った田舎のスーパーが現れる。

 

今日は節分なので、因んだお惣菜が沢山並んでいる。勿論恵方巻きも。恵方巻きにしようかと思ったけど1人で食べるには多い。明日の補給食にカロリーメイトやゼリーを買いつつ、どのお惣菜にしようか悩んでいたのだけど、だんだん面倒になってきた

 

踏み出せ、失敗しても死にはしない、場数を踏め、ワンチャン何か面白いことがあるかも

ということでレジ袋を下げて、先ほど潜らなかった暖簾のお店に行く事にした

 

やけっぱちで扉を開けると、お店の中には他のお客さんは見えず、がらんとしていた。

大きな生簀とカウンター席が目に入る

陽気な大将と、バイトの女の子がお出迎えしてくれた

 

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カウンターのすぐ後ろの個室に案内されて、ほっと一息。元々フライか天丼か、焼き魚かなという気持ちだったのだけど、大将が『しゃぶしゃぶもやってますんでね』と言うのでメニューを見ると、『今はブリ』との文字が。

 

ぶり、しゃぶしゃぶ。ぶりのじゃぶしゃぶ。…『鰤しゃぶ』か!

去年末に街コンで出会った女性が、冬は富山に鰤しゃぶを食べに行くんだと話していたアレか!

妙な巡り合わせを感じて鰤しゃぶセットをお願いした。

 

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オプションで4種盛りの刺身を選ぶと、最初に小鉢と一緒にやってきた

説明がなかったのでよく分からないけど美味い赤身の4種盛りだった。ひとつキモみたいなのが乗っていて、それは微妙だった(キモが好きじゃないので)

鹿児島の魚料理亭で定食を頼んだ時と同じように、ここでも小鉢に乗って大根の煮物が並んでいた。大きく違うのが味付け。鹿児島は出汁だったけど、ここは赤味噌。とびきり濃い。味噌煮込みうどんの味噌レベル。つまり名古屋圏の味付けなんだけど。

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さてお待ちかねのしゃぶしゃぶタイム。野菜と一切れの切り身が出汁で煮てあった。〆にご飯を入れて雑炊に出来るらしい。おかわりしないと米足りないよ…

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正直家でやるしゃぶしゃぶは豚しゃぶなので、湯にさっと潜らせるしゃぶしゃぶは経験がない。のでテレビでやっていたのを思い出しながら、ぐつぐつしている出汁に2、3回ぶりをしゃぶしゃぶして食べてみた。めちゃくちゃうまい!

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さっと潜らせると、周りは白くなって炙りサーモンみたいなちょっとこってり感が出るんだけど、中までは火が通ってないからぶりの刺身の味がする。言ってしまえば、回転寿司の『炙り◯◯』みたいなお味。けれど回転寿司よりめちゃくちゃ美味い。

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しゃぶしゃぶっぽい写真を撮ろうと頑張ったけど、手がブルブル震えてダメだった

しゃぶしゃぶしたぶり、更に置いてしまったらぽく見えない。でもそんなこと言ってる場合じゃなかった。鰤しゃぶ、美味すぎた

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ご飯は3分の1くらい残して出汁吸わせてみたけど、想像通りの美味さ。しゃぶしゃぶでぶりの旨みが更に加わったのか、出汁もめちゃくちゃ美味い

 

結局お店の人には気を遣ってもらったのか対して話しかけられなかったのだけど、最後に『今日はヤーヤ祭り観にこられたんですか?』と聞かれて、やっぱり飛び込んで正解だったと思った

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大将の言っていた『ヤーヤ祭り』とはどんな祭りなのか、真相を解き明かすべく、再び夜の街へと歩き出した。

なんの偶然か、ヤーヤ祭りは2日前の2月1日から明後日の5日までのお祭りらしい。大将いわく『今年からコンプラで裸じゃなくなった』との事で、新聞やニュースにもなっていた。祭りの中で裸になった男たちが川に飛び込むそうなんだけど、スマホでの撮影、SNSでの拡散への対策として、今年から下着着用になったと。

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神輿担いで街中を走り回る、みたいな祭りかなと思って声のする方へ向かうと、狭い路地でもち投げをするような足場が組まれて、提灯を持った法被姿のにいちゃん達が『ウォーイ』とか言っていたが、それ以上のことはよく分からなかった。しばらく見ていたのだけど、動きが全くなくて、ブチ切れている若者が居て抑えられたりしていたけど、全然何をしているのか分からなかった

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取り敢えず思っていた以上に田舎町だった尾鷲市だったので、若者はこういった祭りは強制参加で、でも大体みんな顔見知りみたいな感じで、そういう青春を彼らは過ごしてるんだな、と思った。自分の地元では祭りごとをサボっても何も無かったし、あぁ、(尾鷲のにいちゃんねえちゃん達は)自分が手を伸ばさなかった青春をやってるんだなと

そしてホテルへと戻り、明日の本番、サイクリングイベントに向けてベッドに入った

 

続く

僕がGIOSのnature carbonを買った理由

『君はどうしてそのバイク(自転車)を買ったの??』

何気ない会話の中で聞かれて、僕はほんの一瞬頭が真っ白になった気がした

 

3年前に購入した、GIOSのグラベルロード、『nature carbon』

数ヶ月前から始めた自転車通勤で毎日乗っている

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けれど通勤で使うために買ったバイクでは無かったのは間違いない

通勤以外では偶にサイクリングで乗るくらい

ぶっちゃけ数ヶ月前に通勤方法を変更していなければ、月に1回乗るか乗らないかのレベルだった

 

思い出そう、何故このグラベルロードを買ったのか

 

『バイク(オートバイ)でロングツーリングをするように、ロードバイクで長い距離を走って旅をしている人達もいて、それに憧れて』

一瞬の言葉の詰まりこそあったが、次に僕はそう答えていた
間違いではない

けれど何故『ロードバイク』ではなく『グラベルロード』だったか

グラベルロード』でやりたいことはなんだったか

 

 

思い出した結論から言えば、

マウンテンバイクを買って林道サイクリングを始めたが、オフロードに行くまでが大変で、何かないか調べた時にグラベルロードというジャンルに辿り着き、しかも旅もできるという謳い文句だったので、面白そうだったから買った!

だった

 

何故買ったのか聞かれて一瞬戸惑ったのは、最初の目的をほとんど達成できてなかったからか

グラベルロードで遠くの林道へ遊びに行ったり、泊まりのツーリングをしたりは出来ていないし、今やっていない

通勤バイクになってしまっている

 

当初の目的を失って、惰性で乗り続けているだけじゃないだろうか

そんなことをふと思ってしまった

 

続く(?)

CYCLE PRO(サイクルプロ) ボトル ウォーターボトル 700ml 樹脂製 CP-WB1580 レビュー

突然始まりましたレビュー記事

バイク関係のブログを読みに来て下さっている方だった申し訳ありません

今回はロードバイクネタで書かせていただきます

 

突然ですが今日、長らく使っていたボトルが割れて使えなくなってしまいました

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側面がパックリ割れて水が漏れて来てしまいます

ズイフトをやりながら水を飲んでいて、やけに身体に水がかかるなと思っていたら割れていました

 

このボトル、下のリンクのものでして、2年ほど前に買ったものになります

安くてシンプルなデザインで気に入っておりました

何なら今回使えなくなってしまったのでもう一回買おうと思っているくらいです

なのでこのボトルはいいぞ、良かったぞ、ということを備忘録として残しつつ、商品レビューもしてみたかったので今回記事を書くことにしました

 

このボトルとの馴れ初めは、2年前の初夏

ロードバイクを始めた初めての夏に、BMCのレンタルバイク走行イベントに参加することになったものの、当時保冷ボトル1本しか持っておらず、走行イベントの走りごたえのあるコースを走るにはもう1本ボトルが欲しいと考えていました。

そこで目に留まったサイクルプロのボトル。

当時PayPayモールで500円ちょいだったのを見つけ、弱虫ペダルのキャラクターたちが使っているようなシンプルな白いボトルが、なんだかレーサーっぽくてかっこいいということでポチったのがきっかけでした

容量700mlなので、自販機やコンビニで買ったポカリや麦茶等は余さず入れ切ることができました

 

そうして買ったばかりの真っ白なボトルを持って参加したBMCのイベント

真紅でがっしりとしたイケメンなグラベルロードに真っ白なボトル。正直アンマッチ感バリバリでしたが、こうしてダブルボトルデビューを果たしました

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とはいえ最初述べた通り保冷機能がないので、夏場は水を入れておいてもすぐに温くなってしまい、しばらくは出番がありませんでした

 

季節が巡って冬になると再び出番がやってきました

安いからか構造が単純なので、特にボトルの口のあたりを洗浄するのが楽で、頻繁に使うならこちらのボトルの方が始末が楽だなと思ったのです

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翌年には新しいロードバイクを迎え、そちらでも早速使いました

黒いフレームに白文字のバイクだったのでボトルのカラーともマッチしています
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そのまま春のハマイチでもメインのボトルとして活躍しました

因みに元から持っている保冷のボトルはキャメルバックの保冷ボトルです

こちらよりも握った時にたくさんの水が出てくるので好きでした
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グラベルロードの方でも引き続き使っていました

黒青のGIOSのグラベルロードに色がマッチしているとは言い難かったですが、安いしガシガシ使えるので違うボトルを買おうとは思いませんでした

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そして乗鞍スカイラインヒルクライムでもサブのボトルとして活躍です

標高2700mまで連れて行きました
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グラベルロードで行った残暑の御嶽山ヒルクライムでも変わらず持って行きました

保冷機能が無いデメリットですが、ただに水を入れておいてぶっかける用(飲料用にしない)にしておけば問題ないのかなと思いました
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最終的には鈴鹿ロードレースで鈴鹿サーキットを走りました

元々レーサーが使っている物っぽいデザインがカッコいいと思っていたのが、本当にレースで使われた訳です
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そんな感じで春夏秋冬。レースから2000m級のヒルクライムまで、2年という実際それほど長くはない年月でしたが色々なことを一緒にしたボトルでした

500円くらいのボトルがこれだけアクティブに使われて壊れてしまったのならもうそれは仕方なのないことだと諦めがつきます

 

なので今だと値上がりして600円くらいになっているようですが、この値段で、容量、使いやすさ、耐久性だったら物凄いコスパだと思います

全然安かろう悪かろうという感じではなく、使いやすく雑に使っても罪悪感少ないので、とにかく安いのがいい人にはピッタリなんじゃないでしょうか

 

2022年を写真4枚で振り返る(ロードバイク編)

ついこの間似たような記事を書いた気がするが(ry

 

①ハマイチ

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ハマイチとは浜名湖一周サイクリングのことである

2022年早々にロードバイクを購入した自分と、Twitterで知り合ったいもこさん。いもこさんも影響されて新車のGUSTOを購入

ロードバイク元年の2人がスタートに選んだのが、ハマイチのサイクルイベントだった

イベントなので、コース上に複数用意されたエイドステーションで美味しいものを食べられるし、コースも案内があって分かりやすかった

これを機に、2人のロードバイク生活がスタートしたのだった

 

②乗鞍スカイライン
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ロードバイクよりも前にグラベルロードを買っていた自分は、昨年乗鞍スカイラインに行ってみて感動し、そして未熟さを思い知っていた

ロードバイクにおける坂の登り方の勉強、フラットペダルからビンディングペダルへ、ボトルも2本ちゃんと用意した

加えて今年はタイヤの太いグラベルロードではなく、細くてギアの沢山あるロードバイクになった

更に更にハマイチ以降あちこり一緒に走ったいもこさんも居る、登れぬはずが無かった

 

③ビワイチ
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言わずと知れたビワイチ、琵琶湖一周サイクリングのことだ

琵琶湖はバイクで何回か行った経験から、特に南と西側の渋滞が酷くてそれに捕まるのが面白くないと思っていた

ロードバイクに渋滞は関係ないかもしれないが、交通量が多いところに近づくのが嫌な自分は、自らビワイチしようとは思っていなかった

しかし今度は鷲之助さん(Twitterで知り合った)に誘われて一緒に完走し考えを改める事となった

ビワイチ超楽しかった!!

 

④御嶽スカイライン

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なんと乗鞍スカイラインが路面崩壊で通行止めになってしまった

絶景で車が居なくて自分を追い込んでヒルクライムできるいい道だったのに

似たような場所がないかと考えた時に、手っ取り早く行けるのがここだった

丁度ロードバイクに乗っていて王滝村で働いている人のブログでこの写真の構図の元になった写真が載せられていて、自分も真似したいと思ったのも背中を押した

ここもバイクで何度も来ているので、実際に感じる斜度はともかくルートや路面状況等はよくわかっていて、余裕があると思っていた

しかし写真を撮るために三脚をリュックで背負って登った結果、想像以上に大変だった

とはいえそんな苦労の甲斐あって写真も撮れたし、バイクで登っていた標高2000mをロードバイクによる自分の脚で登ったというのは気分のいい物だった!

マイカー規制の乗鞍スカイラインをロードバイクで登ってきた

またしてもバイクツーリングネタではなく別の日記を書きます。

北海道ツーリングの記事、そろそろ書かないとなぁ

 

 

 

タイトルの通り、乗鞍スカイラインロードバイクで登ってきました。
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コロナウイルス対策で『県を跨ぐ移動の自粛』を求められるので、バイクでの長距離ツーリングがなかなか行き辛い状況でした。

そこで沢山距離走れないのであれば、行ける範囲での密度を上げれば良いのでは?と考え、ロードバイクに手を出してみたのが今年の春の話です。

 

そんなロードバイクですがマイカー規制となっている道路を走れるというメリットがありました。

丁度岐阜県には乗鞍スカイラインというマイカー規制のある観光道路がありまして、主に観光バスに乗って頂上に上がるのが全国的にも有名な観光地となっています。

 

ママチャリは当然として、クロスバイクやマウンテンバイクより効率的に走ることが出来るロードバイクを手に入れた今、混雑する観光バスを使わずに乗鞍スカイラインを観光できる!ということでタイミングを見計らって行ってきました。

 

2021年9月19日(日)

朝は3時頃に起きて支度をしました。

乗鞍スカイラインまでは車で移動します。

前日のうちにロードバイクの積み込みは終えておきました。

 

久々に日が昇る前に活動開始しました。

もっとバイクで色々出かけていたならば、早朝スタートも沢山していたのでしょうけど、今年は全然それがありません。
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日が昇っていないとはいえ、早朝なので油断していましたが、道中の山道でシカの群れに出くわしました(笑)

前方のガードレールにやたらと反射板が光る箇所があるなぁと思っていたらシカの目でした。登坂車線のある山道で登坂側を走っていたので余裕を持って避けられましたが、気付いて反応に至るまでのラグが長かったので運が良かったです。

 

朝7時頃に『ほおのき平スキー場』に到着し、ロードバイクを降ろして組み立てました。

因みに詳しくは省きますが、私のロードバイクは厳密にはグラベルロードと言って一般的なロードバイクとはちょっと違います。機会があればそのあたりも記事にするかもです。

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このほおのき平スキー場からは乗鞍スカイラインを走る観光バスの乗り場があり、ここから数キロ先の道路の分岐でマイカー規制となるスカイラインに向かうことができます。

ので、ロードバイクで乗鞍スカイラインを走ろうと思ったら、ほおのき平スキー場まで車でやって来てスタートするのがメジャーだと思われます。

(後述しますが実はもう少し先までマイカーで行けました)

 

観光バスの始発の時間前でしたが沢山の人が並んでいました。駐車場の車のナンバーも岐阜県ナンバーのほうが少ないくらいで、全国から本当に沢山の人が訪れるようですね。

労力は必要ですがロードバイクならバス代も、順番待ちも必要ないので悠々と駐車場を後にします。

空を見ると分かるように、しっかりした雨の翌日とあって天気には期待できそうでした。
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駐車場を出てすぐはまだ乗鞍スカイラインではありません。ゲートがあるのですがそこまでの途中です。

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一般道から乗鞍スカイライン方面の分岐に逸れてゲートに向かいます。既に駐車場からかなり登りました。思ったよりも斜度がきつくて早くも息があがりました。

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因みに乗鞍スカイラインのある乗鞍岳は標高3000m級の山で、道路も2000m以上の場所を走ります。スタートの、ほおのき平スキー場はだいたい1200mなので相当登ります。

ので覚悟はしていましたが、想定よりきつかったです。早起きしているし、3時間近く車運転したあとだし、いきなり標高1000m越えているし酸素が薄いに違いないなどと弱音が出てきますが、まだスカイライン始まってすらいないので頑張っていきます。

 

想定外に満身創痍になりながらも、スカイラインのゲートがある平湯峠まで登りました。本当に疲れたので補給食として持ってきた一本満足バーを早速食べました。
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そして何となく察していたのですが、スカイラインのゲート前まではまだ車で登ってこれました。駐車場があってロードバイクを降ろしている人がたくさんいます。

友達が平湯峠までバイクで行ったことがあると言っていたので、多分行けるんだろうなとは思ってたんですが、衛星写真で見ても駐車場があるように見えなくて車を持ってこなかったんですが、残念ながらありました。
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ほおのき平スキー場から平湯峠まで登るのがかなりキツかったので(かといってここから楽になる訳でもない)、次回以降は絶対にゲート前スタートにしようと思います。

言い訳がましいですがここからスタートしていればもう少し頑張れた気がします…
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ゲート、と言っても伊勢志摩スカイラインや高速道路のような立派なものがある訳ではなく、道路脇に事務所があって、道の真ん中におじさんが立っているだけでした。ただしそこから先はマイカー規制なので一般車は通過できません。

通過する際に『何処から来たか』『乗鞍にくるのは初めてか』『スカイラインを長野に抜けるか戻ってくるのか』を聞かれました。

 

乗鞍スカイライン乗鞍岳、バスで来たことがあると答えたのですが、実際登ってみると記憶が全く無く、初めてだった気がしました。

県またぎは自粛ですし、そもそも長野に降りてからもう一度登ってくるなど到底自分には出来ないのでUターンして戻ってくると伝えました。

 

そうして乗鞍スカイラインの長い長い登りが始まりました。

どこのスカイラインもそうですが初めは景色が開けないので黙々と登っていきます。

ゲートを通過してから30分しか経過していませんでしたが、意外とすぐに良い景色には出会えました。

スタートの標高がそもそも高いからかすぐに雲と同じ高さまで来たようです。

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乗鞍スカイラインを登り始めて最初に現れる展望台が『夫婦松展望駐車場』でした。

既に雲海が見えました!後から思えば夫婦松がどれで何だったのかさっぱりですがそんな事は些細なことで、圧倒的な景色にテンションがあがります。
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そこから更に少し行くと『乗鞍スカイライン展望台』(グーグルマップ)があり、駐車場はありませんが展望台がありました。

さっきの展望駐車場はトイレもあったので観光バスが停まるかもしれませんが、ここは停まらないでしょうね。自転車ないし徒歩、タクシーも入れるのでそういう人しか見られない景色です。

そんな肩書ですら凄いのに景色はもっと凄いです。独り占めできるのが勿体ないくらいです。
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雲海に沈むのが恐らく平湯温泉のあたりですかね。

左の尖った山が笹ヶ岳、右の方の山々が槍ヶ岳焼岳などのようです。

スタートのときに予感したとおり本当に天気が良く、山の稜線もくっきりでした。
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さらにさらに登っていきましたが、斜度が多少なりとも緩むかと思いきや全くそんなことはなく、ひたすらに急勾配が続き、早くもロードバイクを降りて進むようになりました。

スタートからおよそ2時間半くらいでした。

 

体力回復がてら止まって写真を撮ります。正直体力があっても止まっていたと思います。それくらいにすごい景色でした。

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まるで雲海が浸食してきているような景色。気付けば先程の展望台から見た名だたる名山すら見下ろしているような高さです。
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凄まじい雲海にテンションが上がり、感動しながらもどんどん足を消耗し、歩く率が上がっていました。休みも兼ねて振り返っては写真を撮り、少し漕いで降りて歩いてを繰り返します。

振り返れば雲海が続く景色は感動を通り越して笑えてくるほどでした。
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ロードバイクはエネルギーをかなり消費するので補給食が大切なのですが、自分の見積もりが甘く、持ってきた補給食を食べきってしまいました。スタートからおよそ3時間です。実は水もほぼ無くなっていました。
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後ろから次々登ってくるロードバイクを見送りながらちまちま進みます。補給が切れたのでとにかく消耗を抑えながら進むしかありませんでした。距離としてはおよそ半分まで来ており(まだ半分あるのに補給切れてるのは致命的な気もする)、キツイのは前半だけと聞いていたのでとりあえずは進んでいました。
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振り返ればやはり雲海が見られます。方角的には高山市街地の方な気がします。f:id:yu11ta03milky:20210925234208j:image

 

森林限界が近づき、景色が開けてくる一方で足は本当に限界が近かったです。本当にロードバイクに跨って漕ぐ力が入りませんでした。ただ体力、スタミナが切れていた訳ではなく、歩行は問題なく意識もハッキリしていましたので更に進みます。
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そして傾斜が少しゆるくなり、景色が開け、いよいよラストスパートかと思ってロードバイクを漕ぎ出したところ、両太ももを痙りました…

筋肉が固まって膝が曲げられなくなってとても痛かったです。バイクに寄りかかるしかなくて暫く立ちすくみました。
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暫く待っても筋肉の硬直が溶けず、仕方なくお尻から座り込んで休みました。経験のない状況にリタイアを考えました。

補給食も水も尽き、ゴールまでまだ1時間以上かかりそうで、それだけ並べるとリタイア一択でした。

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ただ歩けなくは無かったのです。またロードバイクには『ハンガーノック』という身体のエネルギー切れになる症状があるのですが、そういう感じでもなかったです。なので直ぐに引き返す覚悟はしつつも、登山だと思ってひたすら歩くことにしました。幸い帰りは下りなのでロードバイクに乗りさえすれば勝手に進みます。
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今にして思えば、いえ、当時もですがそこに至るまでに十分な景色を堪能していました。

バイクで各地をツーリングする中で、ビーナスライン、滋賀草津高原道路、阿蘇、数々の絶景を見ましたがそのどれよりも今回の景色は凄すぎました。ヘルメット越しでも、分厚いプロテクター入りジャケット越しでもない、ペラッペラのサイクルジャージからの五感で間近にある景色。天気も過去1でした。
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でもやはり最後まで行かずに進むのは惜しかったのです。幸いにも体力は有り余っていました。ただロードバイクは漕げないだけで…
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森林限界を越えた先の乗鞍スカイラインはそれはそれは絶景でした。

なんなら漕ぐのをやめて歩いていたのが正解だったのではないかと思えるほどです。
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きっと痛い足を庇いながら漕いでいたのなら、体力が尽きてしまって気力だけで進んでいたのならば気付けなかった景色だと思います。


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このゴツゴツした岩肌の山は猫岳と言うそうです。にゃー

登山道もあるようでした。バスは停まらなさそうなので、登りに来るのは大変そうですね。でも登ってみたいと思いました。
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土俵ヶ原

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山と山の間、茶色い原に、先の見えない青空が続く

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振り返ると烏帽子岳

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裾の方が色づき始めていました。早くも紅葉が見られるようになるのでしょうか?
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四ヶ岳

登れるんでしょうかね?頂上は凄く見晴らしが良さそうですが。
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歩くことは出来てましたがそうはいってもちょこちょこ足がつりかけて休みながら行きました。

岩場で足を休めていたら、通りすがりのロードバイク乗りの方に『絵になってるねえ』と声をかけられました。ナイスガイ。

とはいえまさか足が限界きてて休んでるとは思わないだろうなと思いつつ…
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スタートから4時間半、とうとう登りが終わり、高台に出ました。

ザ、高原という感じがして素晴らしいです。

おそらく正面に見えるのが魔王岳、恵比寿岳と呼ばれる山でしょうかね。
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暫く進むと桔梗ヶ原と呼ばれているらしい場所に着きます。

視界が開けて、とんでもないところに来てしまった感が湧いてきます。

奥に見える尖った山は烏帽子岳
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登りは緩くなっていましたがやはり足が限界になっていたので引き続き歩きました。振り返ると雲海が大分無くなっていました。
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時刻は12時を回る頃でした。補給食を切らせて2時間が経とうとしていましたが、意外と元気なままでした。

時間も時間だからか登りも下りも自転車がかなり増えてきていました。このあたりからは登山装備で歩いている人もちらほら見かけました。大きなカメラを構えていたので高山植物や野鳥を観察していたのでしょうね。f:id:yu11ta03milky:20210926134026j:image

 

スタートから5時間半経った12時半ごろ、ついに『乗鞍畳平』に到着しました。

観光バスで登ってきた人が沢山いました。
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自転車も沢山でしたが、そこらじゅうにサイクルラックが設置してあり、余裕で駐輪できました。
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ともあれ身体のエネルギーも尽きかけだったので、自販機でポカリと水を、売店でおにぎりを2つ買っていただきます。

バスターミナルからすぐ行けるところに展望台や板張りの散歩コースがあり、装備や体力がなくても素晴らしい高原の景色を楽しめそうでした。
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気温は13度になっていましたが長袖インナーにサイクルジャージの2枚重ねで丁度いいくらいの体感でした。なんなら恐ろしいほどの晴天で日差しが強く、焼かれるような感じがありました。実際帰ってからかなり日焼けしていました。
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頂上まで来たわけなので色々見て回りたくもありましたが、ここは観光バスでも来られる場所なのでまた直ぐに来る事ができると思って観光はしませんでした。
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頂上の景色は観光バスさえ乗れば誰でも見られる景色。今回ロードバイクで来たのは、道中のバスからは見つけられないような景色が目的だったので十分満足していました。とはいえ頂上は頂上で格別な景色ですね。
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頂上にある泉と、奥に行けば県境の看板があるようです。ロードバイク乗りは看板を目指して行く人が沢山でした。気にはなりましたが、県またぎをしないために県内のスポットに来ている訳なので自粛しました(律儀)。
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帰りは散々苦しめられた斜度が手の平を返して背中を押してくれます。ほぼノンストップで下りました。
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漕がなくてもロードバイクが進んでいくので、絶景を楽しみながら下っていきます。正直ぐんぐんスピードが上がっていくのでのんびり見ていられませんでした。そういう意味でも行きのうちに景色と空気を堪能できて本当に良かったと思います。
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13時50分頃、ほおのき平スキー場まで戻ってこれました。なんと畳平から一時間とかからず下ってしまいました。下りの途中、もうマイカー規制のゲートを通過したなと感じていましたが、間違っていなかったようです。恐ろしいほどの速さで下っていました。

標高差2000mの工程を終えた達成感に、ひとまず自販機のコーラをあおりました。最高です。相変わらず足は自転車が漕げないほどに痛めてましたが、体力は余裕でした。
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その後は温泉によってゆっくり身体をほぐしてから帰宅しました。

 

ほおのき平スキー場をスタートして畳平まで、そこから下って戻ってくるまでかかった時間は6時間25分でした。うち自転車に乗っていた時間は3時間42分なので半分近く歩いていました。
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思ったよりも早く足に限界がきてしまって、ロードバイクで登ったとは今ひとつ言い難かったかもしれません。事前に乗鞍スカイラインに行った自転車乗りのブログや、ネットの紹介記事を見る限りでは初心者でも楽しめると書いてあったので、余裕かと思っていたのですが、それなりに大変でした。

 

ただそれ以上に素晴らしい景色、道でした。

イカー規制道路なので、たまに通過する観光バスだけ見送りながら、あとは広い道路をのんびりとマイペースで進んでいくことができます。おまけにどんどん視界が開けて景色が良くなっていくときたら、すぐにでもまた行きたくなってしまうような所でした。
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普段バイクでも秘境のようなところに向かったりしますが、自分の足でしか辿り着けない、見ることができない景色に出会える乗鞍スカイラインは本当に素晴らしいところでした。
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