2022年11月5日(土)
朝の温泉に一番乗りするために早起きをした
露天からは御来光も見えると言うことで、外で凍えながらではなく温泉に浸かりながらぬくぬくみられたら最高のはず
しかし先を越されてしまったようで、露天風呂の入り口にはすでにいくつかのスリッパがあった
ならばと思ってワンチャン内湯からも見えないかと向かってみると、一番風呂はできたが朝日は拝めなさそうだった
やむ無し、いい湯だけはしっかり堪能して、宿の屋上へと向かった
昨晩星を撮った宿の屋上は、星空だけでなく御来光も観られますと館内の掲示にあった
せっかく宮城の青根温泉まで来ているので、観れるものは見ておかないと勿体無いし、カメラでタイムラプスを撮影するチャンスだ
外に出ると日はまだ登っていないが空は白んで明るく、昨晩全く分からなかった周囲の景色が見えた
丁度部屋のテレビでやっていたニュースで蔵王も初冠雪と行っていたが、宿の屋上出入り口の向こうに見える山はうっすらと白くなっているように見えた
一目で太陽が何処から上がってくるのかが分かる
タイムラプスで設定したカメラのシャッター音が静かな朝には無粋だと思いつつも、端の方にセットして自分も朝日が昇るのを待つ
寒さに我慢できなかったらどうしようと思っていたが、分厚いライディングジャケットを羽織ってきたおかげか御来光を眺めるまで外にいることができた
途中から他の宿泊客の人も数人増えて、寒いですねえとか山の紅葉が凄いねとかそんな会話をした
青根温泉から見た御来光 pic.twitter.com/KAqeOyZL4I
— RCもり (@Mori10735676) 2022年12月3日
途中雲が増えてきて、このまま曇天になってしまうかと思ったけど、終わってみれば良い御来光が見られた
1時間ばかし外でぼーっとしていたけど、今回の旅の終わりをしみじみと感じた
1日の始まりのはずの朝日を見て終わりを考えるなんておかしなものだけど、今日はお昼にはフェリーに乗って帰路に着いてしまうと分かっているからこそそう思ったのかもしれない
寒い時期の朝日は銀色に近い色をしていて綺麗だ
日が昇ってくっきりと現れる蔵王の稜線
合成かと思ってしまほど鮮やかな空と、岐阜の方ではあまり見られない全体が紅葉した山
部屋に戻って暖房で暖まりながら、相変わらず美味しいコーヒーを頂く
テレビでは久々にポケモンの番組(アニポケじゃなくてロバートとかが出てるバラエティの方)がやっていて、新作のバイオレット&スカーレットの紹介をやっていた
そっか来週か
その後振り返り放送なのかアニポケも一話流れて、サトシがチャンピオンと戦っているところだった
ウオノラゴン、かっこいいじゃん
宿の規約とかが書かれているファイルを見ていたら、あるチラシに目が止まった
ぴよりんじゃね…!?
びっくりした、名古屋限定だったはずのぴよりんがいつの間にか宮城県にも出店したのかと思った
そして今回の宿の最後のお楽しみ、朝食が運ばれてきた
眼福だ!食べたいものもひとしきり出てきている!
1人の利用でもしっかりお櫃でご飯をくれるらしい
助かる!宿の朝ごはんはご飯のお供が多すぎて、白飯が多いに越したことはない
漬物と温玉。普段は温泉一切食べないけど、こういうときに食べる温泉がすごく好き
サラダ。和洋合わさった朝食のようだ。大きめザクザクのクルトンが嬉しい
卵焼き、焼き魚、大学芋。焼き魚はお土産として売られていたが、要冷凍だったので泣く泣く諦めた
じゃがいも、ちくわ、クラッカー。クラッカー3枚くらい食べたい
ワタリガニのお味噌汁。蟹系は赤味噌より白味噌の方が合うから白味噌圏はいいよな
堪能した…
今まで泊まった翌朝はコンビニのパンかおにぎりで満足していたけど、一度こんな朝食を味わってしまうと戻れなくなってしまいそうだ
その後荷物をまとめてチェックアウト
宿の正面入り口には、昨日はなかったはずのクリスマスツリーが置かれていた
1ヶ月以上前で随分と出すのが早い気がするけど、華やかで良い
でももう2ヶ月で今年も終わりか
『山景の宿 流辿』さんお世話になりました
1人利用なのに15000円以内で1泊2食付きかつ貸切露天ありの温泉に入れる宿、良いところを見つけられて本当に幸運だった
では仙台港に向けて出発
昨日は日が落ちてよく分からなかった『青根温泉』の温泉街を抜ける
『遠刈田温泉』を抜ける前に昨日あった知人の家の前を通ってみると、音が聞こえたのか外に出てきてくれて再度別れの挨拶をした
ガソリンを入れて蔵王を離れ、街へ街へと降っていく
蔵王エコーラインは冬季閉鎖になったはずなのに、蔵王に登っていく車やバイクとそれなりにすれ違った
バイクはどこまで行くつもりだったんだろうか
仙台港まではナビに頼って最短で行くのも良いが、せっかくなので海岸沿いに向かおうと思い高速道路へ
高速に乗ると見覚えがある景色だと思ったが、それもそのはず去年の北海道ツーリングで青森まで自走した際に東北道で通過したエリアだからだ
菅生PA、ここは休憩で牛タンサンドを食べたところだ
そういえばこの菅生って、バイクイベントやらで偶に聞くサーキットのある場所だったんだな
時間があれば近くまで寄ってみたかった
宮城南ICで東北道を降りて太平洋に向かうと、片側一車線の高速道路になった
その後今泉ICで降りると、目の前は海何だろうなという開けた景色が広がる
海の前には堤防のようになっていて、その上に道路が走っていた
堤防道路に入ってようやく太平洋と対面した。
堤防道路を走り始めて気づいたが、ここ震災で津波の押し寄せた場所か…
右手に海、今走っているところが防波堤、左手は田園が広がっているように見えていたが実はあったものが無くなっているような感覚がある
思えばここに来るまで新しい家しか見ていなかったような気も
一度降りて走ってみる。海岸線が一面の田園で果てしなく広がって見える景色は珍しくない。これまでの庄内平野だって、新潟県内海岸沿いだってそうだったが、ここはちょっと違う気がする
何となく、バイクを降りて写真を撮るのは躊躇われた。
霊感とかそういうのは無いし、茶化すつもりも、真剣に向き合えるほど知見を持っているわけでも無い
信じられないというか信じたく無いというか、この『東部復興道路』があるということはきっと関連する場所だったのだと察した
思い掛けず深く感傷に浸ってしまったが、東部復興道路の末端を超えるとフェリーターミナルは直ぐだった
地続きだけどここは軽微だったのか…と考えてしまう
初めましての太平洋フェリー『きそ』
『基礎』なのか『木曽』なのか、いずれにせよ『きそ』という名前は木曽川ゆかりの出身としては馴染み深い名前だ
バイクは二番乗り
後ろからやってきたのはまさかのKTM
1290のビーストちゃんでした(GTかどうかはよくわからない)
乗船手続きでカウンターに久々に並んだ
名門大洋フェリーとか、津軽海峡フェリーは事前予約ならQRコードかざすだけなのに…
受付を終えて外に出るとまさかの3台目のKTM車、しかも縦目690dukeが現れて、ある意味なんて日だ!と思ったがフォロワーさんだった
お気をつけて! pic.twitter.com/qxcn8AHiXw
— 籠鋳@ざるそば書房 (@_kai_S27) 2022年11月5日
宮城のRC &duke乗りの籠鋳さんとは前々回のオレンジミーティング以来の再会
RCのホイールを白くしてるのが特徴で、ミーティングの時にキャラクターTシャツ着てて印象的だった(笑)
結局あの後スタァライトに触れてみたもののそれで終わってしまったので申し訳ないのだが…
ともあれほんの僅かな時間とはいえ見知ったバイク乗りと会えて良かった
貰った笹かまは美味しく頂きました✌️
出航30分前、乗船
お尻から入るので、恐怖感が少ない
車載甲板からロビーへ向かうのに一度外部デッキを通過するのは驚いた
今まで乗ってきたフェリーは階段を登ったら食堂横に出るのが大体のパターンだったのに
客室はS寝台
2段じゃない2段ベット
高さに余裕があるのとテレビが付いているが、ベッドとベッドの感覚自体は2段ベッドのところと変わりがないのでそこまで広くは無い
個人的には太平洋フェリーはさんふらわと同じく、名門大洋フェリーよりは豪華客船というイメージだがそのとおりで通路はとても広い
フロントには吹き抜けの階段もあるし
ショップもでかい
大浴場入り口にはそれっぽく岩壁の模様になっているし
ゲーセンもパチスロだけでなく、クレーンゲームもある
2階から3階へ上がる階段
映画鑑賞ルームもある
乗船時間中3本くらい上映していたような
ラウンジもレストランの客席のよう
バーだ!
夜になったらバーテンダーの人がシェイクしながら立つのかと思ったがそんなことは無かった
外部デッキに出る。広々
ベンチも用意してある、素晴らしい
煙突。今まで見てきた船で1番煤汚れていて年季が入っているように感じた
毎回このアングルで写真撮っちゃうけど好きなんだよな
陸を望む
さっき見送りに来てくれたフォロワーの籠鋳さんはもう居なくなっていた
ちょっと寂しい(笑)
無事乗船は出来た
あとは名古屋まで連れて行ってくれる
やる事終えた感があって缶コーヒーとアイスを用意したが、今昼の12時だったということを思い出した
九州行く時の船が大体夕方だから、今日もその気分になっていたよ
船が出る
陸からは太平洋フェリーの人は誰も手を振っていなかった。というか誰も見当たらない。
さて出航したものの、名古屋に着くまでまだきっかり1日かかる
大阪から福岡までのフェリーは、夕飯食べて夜景見て風呂に入って寝れば翌朝着いているが、今回はそうもいかない
とりあえず夕飯はバーに書かれていた『まかないカレー』でも食べてみようかなと思う。安いし
取り敢えず自室に戻ると予想外にガラガラだった
周りに誰もいない。ラッキー
自室でやることも無いので再びデッキへ
海上に浮かぶ雲
デッキの最後尾からここまでの軌跡を辿る
左手にはずっと本州が見えている。まだ宮城県沖の模様
もうすぐ15時だ
乗船後はちらほらデッキに居た人も皆んな中へ入ってしまって誰もいない
本当ようやく来れた東北だったけど、あっという間に通り過ぎてしまったなと思い返す
出来るだけ高速代をケチりつつ、毎日500kmとか走って無理をしないようにと考えて組んだ旅程だったけど、結果的に1日一県くらいしか滞在できず結局早足だった気もする
さりとて東北行きのフェリーはこのように乗船時間が長くて持て余すし、難しい
15時になったのでおやつがてら、山形の山ベーグルで買ったベーグルの残りを食べた
美味しい。お土産用にももっと買えばよかったかも
ようやく日が傾き始めた
陸の方を見ると丁度福島の原発が見えた
ベッドのある部屋ではネットが繋がらないが、ラウンジやデッキは繋がるのでウロウロしながら時間を潰す
16時半頃、太陽が沈み始めた
そういえば今日は朝日が昇る瞬間にも立ち会っているので太陽の出入りをしっかりと確認した1日だった
慌ただしいような、長かったような1日が終わる
19時半頃
夕飯を食べる人の流れが一旦落ち着いたくらいを見計らってラウンジへ
昼間に確認していた『まかないカレー』を食べにきた
レストランのバイキングが2000円に対して、大盛りのカレーで750円ということで安くて沢山食べれそうな印象
実際カレーを受け付けているバーカウンターは次から次へとカレーが出てきていて忙しそうだった
船で食べるカレーといえば、各地の軍港で食べられる『海軍カレー』を思い出す
それに習ってアイスミルクも注文した
サラダもつければよかったと後で気づく
夕食後、再びデッキで少しだけ風を浴びて、
もう早塩で床が白くなってるなぁと思いつつ後にして今日を終えた
2022年11月6日(日)
よく寝たような、寝てないような
昨日はやる事も少ないので昼にも寝ていたし、夜も早く寝たのでぶっちゃけ家に居るより寝ていたかもしれない
日の出の瞬間には立ち会わなかったけど、昇ったばかりの朝日とご挨拶
船は静岡あたりまで来ていたようで、富士山が見えた
海上から見る富士山
遮るものもないので一目で分かった
振り返っても東北地方は見えるはずもなく、もう帰ってきたのだなぁと実感する
朝ご飯は選択肢がふたつ
昨晩まかないカレーが出てきたバーカウンターで『モーニングセット』を頼むか、レストランでバイキング
モーニングセットのゆで卵は魅力的だが、ウインナーが食べたい気分だ!
バイキングのメニューでウインナーがある事を確認して入店する
想像していたより可愛いサイズのウインナーだったけど、卵焼きとパンも合わせて実に旅行らしい朝食
オクラとひじきは健康に良さそうだから取った
フェリーは中部国際空港をかすめ、遂に名古屋港へと到着した
長い船旅、もっといえば長い東北ツーリングもいよいよお終い
名古屋港でフェリーを利用したことは初めてだけど、ポートメッセ名古屋には何度も来ているのでよく見知った景色だ
ポートメッセ名古屋にレゴランド、ここがインターね〜知ってる知ってると思いながらナビ無しで走っていたら、行き止まりに当たったりして全然帰路につけなかった
Uターンしたお陰でさっきまで乗っていたフェリーを再び目にした
お世話になりました
なんとか高速乗り口に辿り着くも、ETCレーンのバーがまさかの開かず
まさか壊れてしまったかのか!?と思ったら出る時に一般レーンの係員さんに『ETC作動してますよ』と言われて一安心。
名古屋港に昼前にフェリーが着いて、そこからノンストップで高速道路使って帰ったので、帰宅は15時前と随分早くツーリングに幕を下ろした
お土産も買えていなかったし、帰りのフェリーは割と暇していたので『最後の最後まで充実感!』というのが無かったのがちょっと気になったけど、ともあれ無事に帰って来れてよかった
総評してみるとやっぱり東北は遠い所だった。現地での時間を取ろうと思ったら高速道路で頑張って行くか、得意の連泊スタイルが良さそう
フェリーは時間が難しい。乗船中の時間潰しはともかく、昼出航昼着港というのが勿体無い感
行けなかった山形県の加茂水族館、宮城県の蔵王エコーラインはリベンジしたい
さらにその先の鳥海山から秋田県、太平洋も岩手県も今回東北に行ったという実績を足がかりに遊びに行きたいと思う