未来のデイリーライフ

ツーリングの備忘録をメインに、自転車や日常の事も書きます

夢を語るお爺ちゃん

2025年6月28日(土)

昨日は久々に職場の飲み会に参加し、思っていたより遅くの夜10時ごろの帰宅となった

そこから寝たのが0時半ごろ

就寝はちょっと遅いけれど、たっぷりと寝て起床は9時

スマートウォッチの身体のエネルギーゲージを示す値が93を示している

平日は60前後にしかならないこの値が、ほぼフルチャージ

文字通り準備万端だ!

 

11時半ごろ、道の駅みのかもに降り立つ

だいぶ遅い出立ではあるが、今日はここからサイクリングをする

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梅雨の長雨が終わり、今朝はカラッとした暑さの晴天だった

蒸し暑さは幾分マシとはいえ、日差しの元ではジリジリと焼かれていく感覚

日陰はひんやりとした風が吹いて気持ちがいい

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まるで夏休みが始まったかのような景色

しかしまだ6月だ。末とはいえ7月ですらない。そう思ったとしても、あとでこの写真を見返したら6月だとは思うまい
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写真はひまわりではないけど、あちこちで天に向かって首を掲げる向日葵も見た

そうなってくるともう夏だ
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小さな峠をいくつか超えて、本格的な山に入る前、最後のコンビニでお昼ご飯

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日向にいるとどんどん体力を持っていかれるので日陰で休憩したいが、イートインコーナーのないコンビニでは、僅かばかりの庇に頼るしかない

幸いにしてボディは陰に収まったけど、陽にさらされた足先がどんどん熱くなっていく
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コンビニ補給後はいよいよメインのヒルクライム開始

気温はそこそこ

日差しは暑いけど、木々が生い茂る山道を登るため、日陰が多くてそれなりに涼しさも感じる

けれど平均勾配7%を超える登りは、体温をどんどん上げていく

月一のレースやサイクリングイベント

週2、3回のローラートレーニン

頻度は落ちてきているし、生活習慣も悪化気味。軽快に登っていけるような理由はない。あるとしたら今日はスマートウォッチのエネルギーだけは好調だった

いつも休憩する途中の平坦も、日陰がないから休憩にならない

坂の途中で日陰になっている待避所があればそこで休憩を…と思いつつも、あとちょっと、あとちょっと、と止まらず登っていく

汗はボタボタ垂れるし、身体は熱って仕方なく、息もあがりきってやばい

 

ある程度登ると一度林間を抜けて、開けた棚田区間になるのだが、

そこでようやく、写真を撮りがてら、日に焼かれながらも足を止めて息を整えることができた

なんて事のない棚田の風景も、酷暑の中意味わからないくらい心臓を追い込んで自転車で登ってきて見ると、頑張った甲斐があったと思える

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棚田を後に、最後の一踏ん張りの坂を越えて、集落のてっぺんへと辿り着く

高いところに来たから何となく涼しい感じがあって、木陰は尚のこと涼しい

レーニングと散歩を兼ねて走ってきたけど、暑い日に木陰で涼むためにわざわざ出てきたのだというのも、あながち嘘ではない
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山の上の木陰は本当に涼しい

日向はジリジリと焼かれるように暑いから、尚更そう思える

別にこんな暑い日に外に出なくても、冷房の効いた部屋にいれば涼しいのは間違いない

けれど、ひーこら言いながら登って、ようやく木陰で休んだ時の『あぁ涼しい!!』という気持ちは、今日こうして外に出なかったら感じられなかったことだ

どうしてわざわざ自転車で坂を登るのかといえば、原始的な、苦労の後の気持ちよさを味わうため、という実にM(マゾ)な人間だからなのかもしれない
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wilierのGTR teamはたまに物凄くカッコよく見える時がある。今日はまさにそう。斜め後ろからがカッコよく見える角度だとか、そういう単純な話じゃあない気がする。

ロードバイクを眺め、鶯や虫の鳴き声に耳を傾け、そよ風を浴びてたっぷりと休んだ。人々の喧騒や、幹線道路を行き交う車の音はほとんど聞こえない。たまに通り過ぎる車やバイクの音だけ。情報量が少なくて多い。そんな一時

 

 

 

から、若干重い腰を上げて再スタートを切る

といっても残りは少し上り下りがあるだけで、上りに関しては下るの勢いで上ってしまえるくらい(スピードが落ち切らないようにペダルを踏み続ける必要はある)

そうして、いつもの、自販機がある広い歩道までやってきた。ここまでの上りで大体ドリンクを飲み切るから、ここで補充するのだ

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日陰は、葉の裏に虫がいればコンニチハしそうなくらいの高さではあるが低い木があり、そこにしゃがみ込んで涼むことにした

すると一台の軽トラがやってきた

見慣れた白い軽トラではない

ブレザーとか、スーツのジャケットにありそうな紺色、それも手入れの行き届いたピカピカの

そんな高級感や清潔感のあるボディには若干不釣り合いな気もする、ゴテゴテした装飾が荷台にかけて付いていた。パトカーのパトランプとも違う、工作機械の自動運転を表示するランプのような、もしくは自動車学校の教習車についているようなランプ

そしておそらくは車、もしくはバイクのサイレンサーをぶった斬ってパイプオルガンのように配置してある。鮮やかなチタン焼けをしたパイプになっており、拘りを感じる

しかしそんな、一般的な見方をしたら『癖の強い軽トラ』に乗っている人だ、ちょっと面倒な人かもしれないと少し視線を逸らした

が、やっぱり話しかけられた

 

始めはやはりロードバイクの話だった

この辺りは僕に限らずロードバイクで走りに来る人が多い。きっとこのお爺ちゃんはちょくちょくこうして訪れたロードバイク乗りに話しかけているのだろう

しかしこのお爺ちゃん、腰が曲がっていないのに80歳だという。ついこの間まではバイクに乗っていたそうだ。

アンタみたいに若くないからバイクや軽トラ走らせてるけど大変でよ、と言いながら長野の美ヶ原や八ヶ岳にバイクで泊まりに行ったんだと楽しそうに語りだすお爺ちゃん。謙遜しているようだがバイクで長野に行けるのは十分体力のある人だ。高速道路は身体がついていかへんから下見で行ったんや、というのももっと体力が必要なことだ。

ゴテゴテの軽トラも、助手席を倒して物を置けるようにしているそうだが、誰かと出かける時はレンタカーを借りるらしい。この間もネットで予約してアルトを借りて岐阜の方まで出かけたというが、80歳でスマホとネットを使いこなしているらしい。ETCのカードが切れていた話もしてくれたから、ETCも理解している

更に更に、ドローンの免許を取りに大阪まで行って、許可もらってこの片田舎で飛ばしているというではないか。当たり前のように先端の技術を学び使いこなしている!木に引っ掛けてしまったけど落ちてきたからよかったとか、田んぼに落っことしたこともあるしみたいな失敗談も出てくる。

話は止まらずアマチュア無線をやっている話、北海道の7つのスキー場を回った話、夜行バスで東京へ行った話、、、

想像以上に凄いお爺ちゃん、おもしろいお爺ちゃんだった

何かをするのに歳なんて関係ない(なんて言葉はお爺ちゃんの口からはきっと出ないだろう)、色々な冒険と失敗とが楽しい、それを体現しているお人だった

僕は何度も『凄いですね!』と言った

けれどお爺ちゃんは僕のロードバイクを指してこう返す

『アンタもこういうのやってたら分かるやろ?』

他人から見て大変だ、凄いことだと思うことは、本人からしたらやりたくてやっているだけだから当たり前なのだ。だから趣味なのだと。きっとそう言いたかったんだと思う

それが分かるようで、けれど本当に自分は当たり前と思ってやっているか自信が持てないような気がして、僕はそのとき衝撃を受けた

でもお爺ちゃんは止まらなかった

『俺には夢がある』

バイクに乗って、あちこち旅行して、ドローンやアマチュア無線をして、そんなに色々やっていてもまだ『夢』があるという。夢を語るお爺ちゃんの楽しそうなこと

『夢を語る(持った)人は輝いて見える』

なんて表現があるような気がするが、まさにそれだったと思う

今日最大の衝撃だった

まざまざと見せつけられた気がする

なんて眩しい、なんて凄い、なんて楽しそうな…

人に語って聞かせられる夢を持っているだけで、僕は足元にも及ばないんじゃ無いかと思った

 

ひとしきり話すとお爺ちゃんはサッと去っていった。話の切り上げ方も実にスマートだった。

 

正直僕には夢はない

とりあえず毎日一生懸命生きようとは思っている

後悔のないように選び生きる、そうしていきたいと願っている

ただ最近若干腰が重いと感じる。あまり出かけていない

だから今日お爺ちゃんと出会って、話を聞いて、お爺ちゃんに負けているわけにはいかないなと思った

もっとどんどん出かけよう、色んな事しよう、そう思った

 

そんな事があったから、山を途中下山することにした

元々昼スタートだったと言うのもあるけど、14時過ぎ、ここから更に一山ふた山超えるコースを走ってしまうと日が暮れそうだ
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サッと降って久々にカフェへ寄った

夏らしい和パフェとアイスコーヒー
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カフェでケーキを食べて、帰りにコンビニでアイス買って食べようと思っていたけど、和パフェに抹茶アイスが乗っていたのでこれ以上は自重しよう
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17時前後にスタート地点である道の駅みのかもまで帰ってきた

写真で見返しても、明るすぎて夕方とは思えない
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まだ始まったばかりの猛暑

身体は適応しきっていないからとても疲れた

けれど実入りのあるサイクリングだった
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サイクリングのstravaデータ↓

https://strava.app.link/OIWRTx54FUb