2019年12月25日(水)
もういくつ寝るとお正月のその日、僕はロングツーリングの為の荷造りをした
予定は4泊5日、宿にランドリーはあるといえど3日分の着替えを詰める
完全に季節は冬ということで、服が嵩張りいつもよりもバッグがパンパンだった
この時の僕は、初めての車検を通しタイヤも新品にしたばかりのRC390から
690SMCーRに乗り換えることが決まっていた状態だった
ツッコミ所はあるが、一時期KTMのラインナップから消えていたSMCーRが数年ぶりに復活して
とはいえ翌年も継続するかは分からなかったのでダメ元で予約だけしておいたら
普通に販売継続されたうえに、お世話になっているディーラーが大きく無いので
レア車であるSMCーRが回ってくるかも分からないと言われていたが、これまた普通に回って来て
どうするか聞かれたら、もう契約していたというわけ
手放すことになったRC390と最後にロンツーをしようと考えて、
なおかつやり残したことはないか考えた時に思いついたのが
『1日で1000km走ること』だった
1000km走ったら何があるでもない、けれどバイクならなんだか出来そうな気がする!やってみたい!
丁度、岐阜から九州まで走ると900kmちょいだった
今まで大阪からフェリーを使ってようやく行けていたその場所は、絶対にフェリーでしか行けない場所ではない
山口県まで行って橋を渡れば(もしくはトンネル)走って行ける場所なのだ!
『よし、RC390で最後にやるのは1日で1000km走って九州ツーリングをすることにしよう!』
2019年12月26日(木)午前6時5分 養老SA
年末だ
でも年末休暇は30日からだったから、26、27と2日も有休を取った
大胆なことをしたが、やったもん勝ちだ
おかげで数年後に北海道行く時に有休を大量取得したときも、
『あいつはまたか(笑)』で済まされていた(んだと信じたい)
冬だから朝6時でも真っ暗だ
そして寒い、めっちゃ寒い
ただ九州の予想最高気温は岐阜よりも5度近く高い
つまり九州につきさえすれば快適にツーリングができる
ましてや今回の行き先は九州の南側、宮崎と鹿児島だ
現地の天気予報の気温をみて半信半疑ではあるが、実際温泉街である別府の暖かさを思えば
九州は岐阜より確実に暖かいだろうという予想があった
午前8時34分 兵庫県 西宮名塩SA
1日1000kmを達成するには、ひたすら高速道路を走って九州まで行けば良い
ただし1000km走る身体への負担は計り知れない
疲労し過ぎて事故っては元も子もない
ネットで得た知識で、約1時間ないし100km走るごとに5分程度の短い休憩を挟みながら進む
午前9時37分 兵庫県白鳥PA
予報で分かっていたことだったがここで雨が降り出す
とはいえ雨なのは今日だけで、九州にいる間は晴れ予報
ただし1000km走るという一番辛い時に雨は堪える
午前10時37分 岡山県 吉備SA
長い
山陽自動車道長い
正直岐阜から西の道路は大阪までしか走ったことがなく、兵庫岡山と未知の区間を走っているが
九州までまるで終わりが見えない
地図を見ると香川の北まで来ていた
以前四国を車で旅行したことがあるが(そのときは運転していないので)
こんなに遠くまで来ていたのか
こまめな休憩のおかげか、まだ疲労感は少ない
RC390は300km走らせるのは心配な航続距離なので給油回数が増えるのがネック
とはいえこまめに休憩していればこんな面白いものを見かけたりして気晴らしになる
よくわからないけど桃太郎伝説絡みの場所だったんだろうか
気になるが休みすぎると良く無いので最低限にして進む
午後12時20分 広島県 小谷SA
ここでお昼ご飯とする!!
高速道路上なのに漁師飯を推していたので頼んでみた
焼き魚と海鮮出汁茶漬け
ひたすら高速道路を走り続ける疲労感に染み渡る美味さだった
午後2時15分 山口県 下松SA
遂に本州最西端の山口県に突入する
長かった…
この前の広島県を抜けるのも物凄く長く感じた
しかしながらナビゲーションに示された距離は残り445km
『まだ(1000kmの)半分ある』
おかしい、岐阜から本州最西端の山口県まで来たのにまだ半分て
山口県が想像より東西に長かった
加えて今回の目的地は宮崎県
九州に上陸してから300km走らないと着かないのだ!
ここがどういう場所なのか分からないから、何故木彫りがこんなに置かれているのかも分からない
午後3時42分 山口県 王司PA
遂に九州の入り口にたどり着く
下関
ああこの地名には聞き覚えがある
確か九州との境だったな、と
ここに来るまでの雨でグローブもブーツも浸水してしまった
ワークマンのイージスグローブも、完全防水を謳うツーリングブーツも
1日雨の高速を走り続けるには力不足
もういい加減ゴアテックス製品買おうと思った
午後4時48分 福岡県 今川PA
おうここにも今川あんのか…(東海圏なので今川といえば三河イメージが)
遂に自走で九州上陸
喜んでいる間も無く、宮崎まで残り200km近い距離が示される
そしてチェックインの時間も迫り出す
雨は止まず手足はびしょびしょだ
そしてここまで800km
今乗ってるSMCーRに比べればカウルとスクリーンがあるだけ大分風はマシだったが
代わりに微妙な前傾姿勢の凝りが効いてくる
がんばれあと少しだ!
午後5時53分 大分県 別府湾SA
日が落ちた
流石に寒い
でも岐阜より全然マシ
こんなびしょびしょで走ってたら手足が千切れるほど痛いもんだけど
そうでも無かったのが暖かった証拠
こんな状況で他のバイク乗りなど居ようはずもない
なんなら車も少ない
SAのレストランも今にも締まりそうで不安だった
カレー屋に滑り込んで大分県産らしいチキンカレーを頂く
あったけえ
そうかまだ平日だった
午後7時56分 宮崎県 道の駅北川はゆま
遂にそのときが訪れる
大分県を越え宮崎県へ
『宮崎まで残り100km』
『ファッ!?』
中国地方から九州まで、県境を越えても県庁所在地は100km先ってのはザラらしい
とそんなことはどうでも良くて、遂にバイクトリップメーターが
1000kmを示そうとしていた!!
ただRC390はトリップが3桁までしか表示できないので
1000kmという表示はできない
そして高速道路な手前、1000kmなったからと停車する訳にもいかないので
すんでのところで一度降りて999.1kmの表示を写真に収める
走った、ついに1日で1000km走ってしまった!!
岐阜からはるか宮崎県まで来て、ここで1000kmか…
本当に長い道のりだった、めっちゃ疲れた
バイク、壊れなくて良かった
自分もまぁ元気とは言わないが意識ははっきりしている
このツーリングが終わったらRC390とお別れだけど、最後にこうしてバカができて良かった
午後8時4分 宮崎県 かわなみPLATZ
次に足をついた時、トリップに表示されていたのは64.2kmという数字
おそらく999.9まで行ってリセットされ、0から再カウントし始めたのだろう
最後の休憩
ホテルにはチェックインが遅れる連絡はしたし、地味にまだ距離がある
誰もいない夜のSAで温かい缶コーヒーを飲む
旅は始まったばかりだけど、やりきったな…
ツイッターでフォロワーさんに元気を貰ったりして、最後の一踏ん張りをする
午後10時 宮崎県 宮崎第一ホテル
朝5時に出て夜の10時まで経過時間にして17時間
ついにホテルにたどり着く
例によって連泊なので、今回の拠点となる場所
バイク置き場と書かれた1階の駐輪場には、メーカーロゴのステッカーが貼ってあった
KTMが居なかったが
シングルルーム
丁度いい広さ、あととても綺麗
ベッドに寝た状態で真正面にテレビ画面がある
首曲げなくて済むからありがたい
素泊まり1泊5000円もしなかったと思うけど、とにかく綺麗だった
クリスマスは昨日までだったけど、ツリーは片付けれずに飾ってあった
フロント横のドリンクバーは飲み放題、近くのお店の焼き菓子やパンも売っていた
ホテルに着いて一安心
披露は困憊
ご褒美にパンを買って食べた
というところで1日目終了
余談
前記事に引き続き九州ツーリングの備忘録になりますが、
今回のはSMCーRで行ったひとつ前の九州ツーリングのお話
1回目、大阪からフェリーさんふらわの往復で大分と阿蘇へ行った3泊4日(まだ記事にできてない)
2回目、CB125Rで名門大洋フェリーを使いとにかく安く、カルストと生月島へ行った3泊4日(https://bluemily-forest.hatenadiary.jp/entry/2020/06/17/232000)
3回目、自走九州、宮崎と鹿児島を初の4泊5日で(今回の記事)
4回目、SMCーRに乗り換えて初の九州(https://bluemily-forest.hatenadiary.jp/entry/2022/03/24/220218)
経緯は最初に書いた通り、RC390を手放すにあたって最後の思い出作りのための九州ツーリング
この時点で2回の九州ツーリングで、大分、福岡、長崎、佐賀と(通過しただけも含めて)行っていて
せっかくだから行ったことのない県へ、ということで今回は宮崎県を拠点に鹿児島まで足を伸ばすことにしました
このとき1000kmを走った実績ができたことで変な自信がついてしまって、
2021年の北海道ツーリングで今度は青森までの1000kmを自走して津軽海峡フェリーに乗るプランにしてしまった
何ならこの記事の九州自走は帰る時はフェリーを使っているので片道しか走ってないが、
青森までは往復してしまった
そんな感じでかれこれ3回1日1000kmやって思うのは、基本やるもんじゃないということ
やっているその時はどうとでもなるけど、恐ろしいのは翌日以降で
1000km走ったら疲れは1日では取れなくて、大体翌日のコンディションはすこぶる悪い
大きな目標として、はたまたロマンとして1000km走りたくなる気持ちは今でもあるけど
翌日の疲れの度合いを思い出すと、本当に何回もやるもんじゃないんだろうなぁと思うのでした